しょうこうせいてんかん

症候性てんかん

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

症候性てんかんとは、腫瘍(しゅよう)脳出血脳梗塞などの脳疾患が原因となり生じるてんかんのことを指します。てんかんは、脳の慢性的な病気のひとつであり、脳の神経細胞に異常な電気的興奮が起こることで、けいれんなどのさまざまな発作を繰り返す病気です。

症候性てんかんは後天的に発症するものが多く、すべての年齢層で生じる可能性があります。特に、近年では高齢者の症候性てんかんが多くなっており、発作時の転倒による骨折などが問題となっています。

原因

症候性てんかんは、脳の異常によって生じます。小児の場合には、先天性の脳奇形や出産時の低酸素脳症、脳内出血などの障害が原因になり、成人の場合には、脳梗塞や脳内出血、くも膜下出血などの脳血管障害、腫瘍(しゅよう)などの脳の器質的な病気が原因となります。小児から高齢者まで共通する原因としては、頭部外傷髄膜炎、脳炎などの感染症が挙げられます。

これらが原因となって脳に障害が加わると、神経細胞が異常興奮を生じることがあります。その結果、けいれんなどてんかん特有の発作が引き起こされます。

症状

てんかんには、大脳半球の一部のみに電気的興奮が限局している部分てんかんと、両方の大脳半球に電気的興奮が生じている全般てんかんがあります。症候性てんかんは、部分てんかんがほとんどです。

部分てんかん

脳の異常がある部分によって、生じるてんかんも異なります。それぞれ側頭葉てんかん、前頭葉てんかん、頭頂葉てんかん、後頭葉てんかんと呼びます。側頭葉てんかんと前頭葉てんかんが多いとされています。

・側頭葉てんかん

吐き気などの前兆があり、突然反応がなくなって、口や舌を動かす自動症が出現します。

・前頭葉てんかん

発作時間は短いですが、突然走りだす、奇声を発する、のたうち回るような動きをするなど予測困難な動作を突然はじめて短時間のうちに突然終わるのが特徴です。また、発作中に四肢(しし)の硬直が見られることもあります。

全般てんかん

脳の先天的な異常によって起こるものは低年齢で発症することが多く、全身のけいれんや強直、意識消失などを生じます。発作の頻度が高く、知能の障害や精神遅滞などを伴うことが多いです。

検査・診断

症候性てんかんの検査は、てんかんの状態を調べる検査と原因となる脳の異常に対する検査を行います。

脳波検査

脳波検査はてんかんの診断に必須であり、頭皮から脳の電気的な興奮を観察する検査です。検査では、発作を誘発するような光刺激などを与えて、発作が起きるかどうか、どのような脳波の異常が現れるかを確認することがあります。

脳波検査はてんかんの有無を調べるだけでなく、てんかんの種類や重症度を決めることもできる検査です。

画像検査

主にCT、MRIによる検査が行われます。これらの画像検査では脳内の異常を調べることができます。また、脳の代謝や血流を調べるためにPETやSPECTなどの特殊な検査を行うことがありますが、ほとんどの場合はCT、MRIで脳の異常を調べることができます。

治療

症候性てんかんの原因となる脳の異常を治療することが優先されます。特に腫瘍などは手術で取り除くことでてんかんの症状も改善することが期待できます。

しかし、脳奇形や脳梗塞などは障害部分を手術で取り除くことはできないため、抗てんかん薬の内服治療が行われます。抗てんかん薬にはいくつかの種類がありますが、その中から自分に合った薬を継続することが重要です。

また、睡眠不足やアルコールの多飲は、てんかん発作を起こしやすくなるといわれているため、規則正しい生活を心がける必要があります。

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