のうけっかんしょうがい

脳血管障害

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

脳血管障害とは、脳に血液を供給する血管に障害が生じることで、脳の機能が影響を受ける状態を指します。代表的なものとして、脳梗塞脳出血くも膜下出血といった、いわゆる脳卒中が挙げられます。

脳血管障害は、日本人の死因の多くを占めます。また、日常生活に影響を与える神経学的な後遺症を残すこともあるため、注意すべき病気のひとつといえます。

 

原因

脳血管障害は、動脈硬化を基盤として発症することが多いです。動脈硬化が進行すると動脈が徐々に狭くなり、内部を流れる血液の量が低下します。脳への血液供給が突然大きく障害を受けると、脳梗塞の発症に至ります。

動脈硬化の原因としては、高血圧、肥満、糖尿病、高脂血症などを挙げることができます。また、心房細動や、もやもや病といった病気が原因となることもあります。

高血圧が存在すると動脈が破れてしまう危険性が高まるため、高血圧を原因として、脳出血くも膜下出血などの出血性疾患を発症することもあります。

くも膜下出血に関しては、脳動脈瘤脳動静脈奇形などの血管の異常が原因となることが多いですが、遺伝子レベルでの問題が存在する場合や、多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)といった病気に関連して発症することも知られています。

症状

脳血管障害を発症すると、影響を受けた局所の脳が著しく障害を受け、以下のような症状が現れる可能性があります。

  • 手足がうまく動かない
  • しびれている感覚がある
  • ろれつが回らずうまくしゃべることができない
  • 内容に一貫性がなく理解できない言葉を話す
  • ものをうまく見ることができない

などがあります。

また、頭痛めまい、ふらつき、吐き気などの症状が出現することがあります。意識レベルを保つことができなくなってしまい、意識消失に至ることもあります。

脳血管障害の進行は急速に変化する可能性があり、命に関わることもあります。また、急性期を乗り越えた場合でも、神経学的な後遺症を残すことは少なくありません。そのため、日常生活に大きな支障が生じる可能性もあります。

検査・診断

脳血管障害では、頭蓋内の脳で脳梗塞や出血が生じていることを確認するための検査が行われます。

具体的には、頭部CT検査やMRI検査などの画像検査が行われます。また血管の状態を評価するために超音波検査がおこなわれたり、心臓内の血栓や心房細動を確認するために心電図・心臓エコー検査などが行われたりします。

そのほかにも、経過中には脳の循環代謝機能を確認することを目的として、SPECTといった検査も検討されます。

治療

急激に発症する脳血管障害では、出血性病変や梗塞性病変があるかによって大きく治療方法が異なりますが、いずれの場合にも迅速な対応が求められます。

出血性病変が生じている場合には、血圧の管理や必要に応じた手術による血腫除去が行われます。くも膜下出血動脈瘤を原因として発症することが多いため、再出血を予防するための手術や血管内治療が検討されます。

脳梗塞を発症した場合には、血栓溶解療法が適応となる可能性があります。実際に脳血栓を取り除くことで効果が期待できる時間は短時間であり、発症からの時間を考慮したうえで適応を決定します。そのほか、抗血栓薬、脳保護療法などの治療も行われます。

脳血管障害を発症すると、神経学的な後遺症を残す可能性もあるため、適切なリハビリテーションを受けることも大切です。リハビリテーションは、日常生活動作を少しでも支障なく行えることを目的として行われます。

脳血管障害の発症を防ぐために注意したいこと

脳血管障害は、高血圧や高脂血症、糖尿病や肥満、喫煙などを原因として発症することもあります。そのため、規則正しい生活、バランスの取れた食事、適度な運動、体重管理、禁煙、必要に応じた内服治療などを行うことも大切です。 脳血管障害の誘発因子に注意することは、脳血管障害の発症予防にもつながると考えられます。

 

 

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