治療
網膜芽細胞腫の治療では、生命を救うという観点はもちろんですが、視力や眼球をどれだけ温存できるかどうかも視野に入れながらの方針決定が重要です。
網膜芽細胞腫が眼球内に留まる場合
眼球を摘出するのか、もしくは温存するのかが選択されます。具体的には手術的な眼球摘出術、化学療法(特に抗がん剤の局所療法)、レーザー治療、温熱療法、冷凍凝固治療などが検討されることになります。放射線療法は、治療効果は高いものの合併症が看過できないものであることから第一選択にはなりにくいです。
眼球の外に網膜芽細胞腫の腫瘍を認めた場合
腫瘍を摘出し、放射線治療・化学療法を併用して治療する場合が多いです。化学療法も局所療法というわけにはいかず、大量療法が施行されることになります。
遺伝性の網膜芽細胞腫
網膜芽細胞腫以外にも骨肉腫、松果体腫瘍(三側性網膜芽細胞腫)、皮膚黒色腫(メラノーマ)、脳腫瘍などの2次がんを発症するリスクを伴います。網膜芽細胞腫の治療が終了した後も、こうした悪性腫瘍が発生しないかどうかを注意深く経過観察することが必要になります。また患者さんの同胞や、次世代のお子さんが同様の病気を発症することもあるため、遺伝カウンセリングが必要になることもあります。
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