じゅうかくきしゅ

縦隔気腫

最終更新日:
2024年11月26日
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2024/11/26
更新しました
2017/04/25
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概要

縦隔気腫とは、左右の肺の間の縦隔と呼ばれる空間に空気がたまる病気です。縦隔に空気がたまることで、胸の痛みや息苦しさなどの症状が現れます。

縦隔気腫は、何らかのきっかけで生じた肺へのダメージや、食道への外傷などのけが、感染症などほかの病気が原因となり発症します。

けがや病気が原因の場合はその治療が行われますが、縦隔気腫だけを発症した場合は、経過観察となることが一般的です。抗菌薬による治療や、縦隔の空気を排出する治療や手術を行うこともあります。

原因

原因としてほかのけがや病気がなく、健康な方が何らかのきっかけで発症した場合は特発性縦隔気腫、ほかのけがや病気が原因となり発症した場合は続発性縦隔気腫と呼ばれます。

特発性縦隔気腫

原因となるけがや病気がない方でも、運動、咳、嘔吐、過度の発声などがきっかけとなり、肺の中でガス交換を行う肺胞と呼ばれる組織が破裂して縦隔気腫を発症することがあります。まれに明確なきっかけがなく発症することもあります。

特発性縦隔気腫は、痩せ型の若年男性に多くみられます。

続発性縦隔気腫

続発性縦隔気腫では、けがが原因となるほか、さまざまな病気が原因となり得ます。

けがが原因となる場合、交通事故や転落事故、刺し傷などにより気管や食道が傷つき、縦隔に空気が漏れていきます。

病気が原因となる場合、肺炎インフルエンザなどの感染症が原因となります。

 

症状

縦隔気腫の症状としては、胸の痛みや息苦しさが現れます。首や背中などに痛みを生じることもあります。

また、胸の前面や首に皮下気腫*を合併する場合には、その部分に雪を握ったときのような感覚(握雪感(あくせつかん))を生じることがあります。

患者の胸部を聴診すると、プチプチ、パチパチという音(捻髪音(ねんぱつおん))が聞こえることもあります。

*皮下気腫:皮下組織に空気がたまること

検査・診断

聴診などの診察により縦隔気腫が疑われる場合は、胸部X線検査やCT検査を行います。縦隔内に空気があることを確認できる場合には縦隔気腫と診断されます。

治療

けがや病気が原因となる続発性縦隔気腫の場合には原因に対する治療が行われますが、縦隔気腫だけの発症である特発性縦隔気腫の場合には、一般的には経過観察となります。

発熱や縦隔の炎症による呼吸困難など、症状によっては抗菌薬による治療やドレナージ**、手術などが必要になる場合もあります。

**ドレナージ:麻酔を使用し、ドレーンと呼ばれるチューブを挿入して患部にたまった空気や液体を排出すること

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