検査・診断
肺動脈性肺高血圧症の診断は、肺の血圧が異常に高くなっていることからなされますが、このことは必ずしも簡単ではありません。たとえば、生活習慣病としての高血圧の診断では腕からの血圧を測ることができますが、肺の血圧を実測することは位置関係からして難しいです。
そのため、肺動脈性肺高血圧症では、まず第一に肺の血圧を推定することになり、この目的のためには心臓超音波検査を行います。
肺の血圧が上昇していることが超音波検査で疑われる場合には、実際に肺動脈を測定するカテーテル検査が行われます。
これらの検査に加えて、胸部レントゲン写真、CT、呼吸機能検査、血液検査などを併用しつつ、心不全の程度や不整脈、貧血などの有無を確認します。
医師の方へ
肺動脈性肺高血圧症の概要、診断方針、治療方針をまとめて確認することができます。
Medical Note Expertでしか読めない、学会や医局の最新医療知見を得ることができます。
BMPR2変異によるHPAHの予後――早期発見を目指した運動負荷検査の取り組み
遺伝性肺動脈性肺高血圧症(hereditary pulmonary arterial hypertension:HPAH)は、遺伝学的な背景が関連する重度な肺高血圧症を主徴とする、極めてまれな疾患である。平出 貴裕氏(慶應義塾大学医学部内科学教室循環器内科 難治性循環器疾患病態学寄付研究講座 特任助
【第7回日本肺高血圧・肺循環学会レポート】肺高血圧症治療の現状――PAH、CTEPHに対する診断・治療、肺移植の現状(4500字)
肺高血圧症(pulmonary hypertension:PH)はかつて予後不良の難治性疾患であったが、ここ20年ほどでさまざまな薬剤が登場し、外科手術も発展したことで治療法は飛躍的に進歩した。その一方で、肺移植のプロセスや治療成績の面では課題も残っている。波多野 将氏(東京大学医学部附属病院 高度
【第7回日本肺高血圧症・肺循環学会レポート】膠原病に伴う肺高血圧症診療の進歩と将来展望(4600字)
膠原病に伴う肺高血圧症は、生命予後が不良な膠原病における重篤な臓器病変の1つである。ここ20年ほどの間に有効な治療薬が診療に導入され短期の生命予後は劇的に改善したが、さらに効果的な治療法の確立を目指し研究が続けられている。桑名 正隆氏(日本医科大学大学院医学研究科 アレルギー膠原病内科学分野 教授)
「肺動脈性肺高血圧症」を登録すると、新着の情報をお知らせします