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公開日 : 2017 年 02 月 03 日
更新日 : 2017 年 05 月 08 日

指定難病 肺動脈性肺高血圧症(PAH)は投薬治療の進化が著しい疾患

横須賀市立うわまち病院 循環器科 部長
岩澤 孝昌先生

目次

「息切れ」や「息苦しさ」を引き起こす原因にはどのようなもの考えられるでしょうか。年齢のせいだと思い込んだり、また長年の喫煙が引き起こす慢性閉塞性肺疾患(COPD)、狭心症に心不全などを想起される方が多いかもしれません。

しかし、「肺高血圧症」というあまり耳慣れない病気が「息切れ」や「息苦しさ」を引き起している場合があります。肺高血圧症は死にいたることもある非常に恐ろしい病気ですが「肺高血圧症といえばこれ」といった特別な症状がないため見過ごされることも多いです。また、原因も多岐に渡っており、その把握が難しい状況になっています。

肺高血圧症は5つに分類されるのですが、中でも「慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)」「肺動脈性肺高血圧症(PAH)」は難病と考えられています。

この記事では横須賀市立うわまち病院循環器内科部長の岩澤孝昌先生に、「肺動脈性肺高血圧症(PAH)」についてお伺いしました。

肺高血圧症の5つの分類と、指定難病 肺動脈性肺高血圧症(PAH)とは?

肺高血圧症には下記のとおり原因により5つに分類されています。

第1群:肺動脈性肺高血圧症(PAH)

  • 第1’群:肺静脈閉塞性疾患および/または肺毛細血管腫症
  • 第1’’群:新生児遷延性肺高血圧症

第2群:左心性心疾患による肺高血圧症

第3群:肺疾患や低酸素血症による肺高血圧症

第4群:慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)

第5群:原因不明の複合的要因による肺高血圧症

肺動脈の末梢血管である小動脈の内径がなんらかの理由で狭くなると、肺動脈圧が上昇します(肺高血圧)。この病態を、第1群:肺動脈性肺高血圧症(PAH)といいます。この病気は国に難病指定されています。

広義・狭義での肺動脈性肺高血圧症(PAH)

肺動脈性肺高血圧症(PAH)の中心となるのは、これまで原発性肺高血圧症(PPH)と呼ばれていた特発性肺動脈性肺高血圧症(IPAH)ですが、今日では疾患の概念が拡大してPAH全体を特定疾患としています。その中には遺伝性肺動脈性肺高血圧症(HPAH)のほか、薬剤および毒物に起因するもの、結合組織病(膠原病)によるもの、HIV(エイズウイルス感染症)や門脈圧亢進症、先天性短絡性疾患(先天性の心疾患)、住血吸虫症などによるものなど、さまざまなものが含まれています。

肺動脈性肺高血圧症(PAH)の原因

記事1「呼吸困難(息切れ・息苦しさ)」の原因は何か?肺高血圧症とは?」で説明したとおり、肺動脈の末梢血管の内径が狭くなることで肺高血圧症になります。内径が狭くなるいくつかの理由が報告されており、PAHでみられるのは「血管収縮」および「リモデリング」です。

肺動脈内腔狭小化の原因

また薬剤が原因でPAHが発症する例もあり、以下の事例はその代表的なものになります。

薬物および毒物に起因するもの-やせ薬で死亡例も

肺動脈性肺高血圧症(PAH)が知られるようになったきっかけとして、フェンフルラミンという食欲抑制剤を含む「天天素」という中国のやせ薬を服用した方が肺高血圧症を発症したという事例があります。天天素はインターネット経由で購入が可能であったため日本でも広く使用され、若い方が数名亡くなっています。

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