治療
脈絡膜血管腫
限局した腫瘍で無症状の場合は経過観察を行います。黄斑部に水が貯まって浮腫が起きている場合や漿液性網膜剥離(網膜内に水が貯まって網膜がはがれている状態)がある場合には光凝固や冷凍凝固術を行います。保険適応外にはなりますが、最近では光線力学療法の有効性も示されています。びまん性に広がっているときには低線量の放射線照射をします。
脈絡膜骨腫
根本的な治療法はないため、基本的には経過観察になります。新生血管が確認できる場合には、光凝固や光線力学療法、抗VEGF薬の硝子体内注射が行われることもあります。
脈絡膜母斑
治療の必要はありません。定期的な診察で増大傾向がないか確認していきます。
脈絡膜悪性黒色腫
脈絡膜悪性黒色腫は、かつては眼球摘出術しか治療法がありませんでした。しかし、腫瘍のサイズが大きくない場合には、放射線治療が行われています。腫瘍が小さく切除可能な場所にある場合には、強膜の一部と腫瘍を切除する局所切除術が行われることもあります。視神経障害や血管新生緑内障などの副作用で視機能を失ってしまうこともありますが、放射線治療の適応拡大により、眼球温存が図れる場合も増えています。
転移性脈絡膜腫瘍
原発巣やがん細胞の種類によっても方針は異なりますが、一般的には脈絡膜への転移が明らかになった際には生命予後との兼ね合いをみながら治療方針を決定していくことになります。化学療法などがんに対する全身治療を行ったり、眼局所に対しては放射線治療を行ったりします。
悪性リンパ腫
眼局所にとどまっている場合には放射線治療やメトトレキサートという抗がん剤を眼球に注射することがあります。脳内や全身にも悪性リンパ腫が及んでいる場合には化学療法や放射線治療など全身的な治療が必要になります。
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