症状
脊椎には脊髄やそこから分岐する多くの神経が通っているため、損傷を受けると脊髄や神経にもダメージが加わり、種々の神経症状を生じることがあります。
損傷部位の症状としては、強い痛みが生じ、体を支える役目を果たす脊椎の機能が破綻して、立位や座位の維持が困難になることもあります。
また、損傷部に斜頸や腰曲がりなどの外見からも判別できるような大きな変形が生じることもまれではありません。
一方、脊髄にダメージが加わるケースでは、損傷部位によってさまざまな神経症状が現れます。特に上位頚椎の損傷では、呼吸筋を司る神経が障害され、呼吸困難が生じるため注意が必要です。頚椎の損傷では、手足に大きな麻痺や痺れを生じたり、膀胱直腸障害を生じたりすることもあります。
また、胸椎や腰椎の損傷では膀胱直腸障害や下肢の強いしびれ・痛み・麻痺などを生じることもありますが、胸椎の損傷ではさらに腸管の運動が障害されて腸閉塞を生じることもあります。
脊髄に大きなダメージがある場合にはショック状態となり、低血圧・頻脈といったバイタルサインの乱れも生じることがあります。
また高エネルギー外傷が原因で脊椎損傷を生じるような外傷では、他部位の骨折や血気胸、血管損傷、臓器損傷などを生じていることがあるため、全身の検査が必要となります。
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