症状
脊髄は脳から伸びる神経で、脳からの司令を全身に伝え、全身で感じとった温度や痛みなどの情報を脳に伝える役割があります。
脊髄損傷では、損傷を受けた部位より下の神経機能が麻痺して運動麻痺や感覚障害を生じます。症状の現れ方や程度は損傷を受けた部位と重症度によって異なりますが、脊髄の下部は排尿・排便に関わる神経や性機能に関わる神経を司るため、多くの場合、膀胱直腸障害や勃起障害などの症状が生じます。頚部の脊髄がダメージを受けた場合には手足の麻痺が起こり、重症の場合には呼吸筋に麻痺が生じて人工呼吸器での管理が必要になります。また、脊髄が損傷すると、体の循環・体温・消化といったさまざまな機能の調節に関わる自律神経に影響が生じます。
なお、これらの神経症状は損傷の程度によって、一時的で自然に回復する場合もあります。損傷が大きく、自分で体を動かすことができない場合などでは、活動性が下がりやすく肺炎や尿路感染症などの合併症を起こすリスクが高くなります。
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