原因
腸炎の原因は多岐にわたります。
もっともよく見られる腸炎は、細菌・ウイルス・寄生虫などの病原体に感染することによって引き起こされる“感染性腸炎”です。感染者の便や唾液などに含まれる病原体を介して感染するケースもあれば、病原体に汚染された飲食物を口にすることで感染するケースもあります。また、暴飲暴食などによって腸に負担がかかると病原体への感染がなくても腸炎を発症することも少なくありません。
さらに、腸炎は毒キノコなど人体に有毒な物質を含む食物、抗がん剤やアスピリンなど一部の薬剤、重金属、アレルギーを引き起こす飲食物などを摂取することで引き起こされることもあります。特に抗生剤を内服すると薬剤自体が腸の粘膜にダメージを与えるだけでなく、腸内の環境を整えるいわゆる“善玉菌”を駆逐してしまうことで腸炎を発症するケースも少なくありません。そのほか、過度に寒い場所にいることや紫外線の刺激を受けるといった環境的な要因なども腸炎の原因となり、心不全や血栓症など腸への血流が悪化するような病気(虚血性腸炎)などでも腸炎を発症することがあります。
また、はっきりした発症メカニズムが解明されていない潰瘍性大腸炎やクローン病など腸の粘膜の炎症や出血を繰り返し引き起こす“非特異性炎症性腸疾患”も腸炎の一種とされています。
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