しつかんせつねんざ

膝関節捻挫

最終更新日:
2025年03月12日
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2025/03/12
更新しました
2017/04/25
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概要

膝関節捻挫とは、膝の関節に外力が加わることで生じるけがのうち、X線検査で骨の異常(骨折脱臼など)がみられないものを指します。骨に異常がみられなくても周辺の組織は損傷を受けていることがあり、詳しく調べると、膝の靱帯、半月板(腿とすねの骨の間にある軟骨のような組織)、軟骨などに損傷がみつかることがあります。膝の靱帯が緩んだり断裂したりすることが多く、この状態は“膝靱帯損傷”と呼びます。

膝には前十字靱帯、後十字靱帯、外側側副靱帯、内側側副靱帯という4つの大きな靱帯があり、膝関節を支えています。外力の大きさや方向などによっては複数の靱帯が損傷することもあります。

膝関節捻挫は、たとえ強い自覚症状がない場合でも放置してしまうと新たに問題が生じる可能性もあります。そのため、膝に強く負荷がかかった後は安静にし、医療機関を受診することが大切です。

原因

膝関節捻挫には、膝関節に対して直接的な外力が加わることで引き起こされるものと、膝に間接的な外力が伝わることで引き起こされるものがあります。

膝に直接的な外力が加わる原因としては、アメリカンフットボールなどのコンタクトスポーツなどが挙げられます。外力を膝の外側から受けることが多いため、膝の内側にある内側側副靱帯や前十字靱帯に損傷が生じやすいのが特徴です。

一方で、膝関節に間接的な外力が加わる原因としては、ジャンプなどの着地時などに膝関節が捻じれることが挙げられます。このようなケースによる膝関節捻挫では外側側副靱帯や前十字靱帯が損傷を受けやすいとされています。

また、スポーツのほか、交通事故や転倒も膝関節捻挫のきっかけとなります。

症状

膝関節捻挫が生じると膝関節の痛みや腫れが生じます。痛みや腫れの程度は重症度によって異なり、靱帯の損傷の程度が大きいほど、痛みや腫れも強く出る傾向があります。ただし、前十字靱帯は痛みが現れにくいため、強い損傷が生じていても自力での歩行が可能なケースもあります。

痛みのほかに関節の可動域制限が生じ、関節を思うように動かせなくなることもあります。また、外力を受けた直後よりも時間を経てから腫れが目立ってくることがあります。これらの症状は急性期を過ぎると軽くなっていき、多くは1~2か月以内で日常生活への支障はほとんどなくなっていきます。

一方で、損傷を受けた部位によっては痛みなどの症状が改善した後も膝のぐらつきを自覚することがあります。日常生活には支障がなくても、スポーツ活動中に膝の不安定感を自覚し痛みが生じる場合もあります。このような症状を放置してしまうと、膝の半月板損傷や軟骨損傷などが生じ、慢性的な痛みや腫れの原因となることもあるため注意が必要です。

検査・診断

正確な診断のためには、問診時に捻挫をしたときの状況や、外力のかかった向きなどの情報を詳しく確認します。また、押さえて痛みがある場所や関節の不安定性の確認も行われます。

そのほか、画像検査を行います。骨折がないか評価するためにはX線検査を行いますが、X線検査では靱帯の状態を評価することはできないため、MRI検査が有用とされています。

また、膝関節捻挫では膝関節の内部に血液がたまることがあるため、関節内にたまった液体を注射で採取して血液が混ざっているか調べる検査を行うこともあります。

治療

膝関節捻挫の治療には、装具などを使う保存的治療と手術とがあり、治療方法は損傷を受けた部位や重症度によって異なります。

保存的治療

膝関節捻挫の中でも高頻度で起こる内側側副靱帯損傷の場合、保存的治療で治癒する例が多いとされています。

保存的治療としては、患部の安静と痛みの緩和を目的としたギプス固定や、膝装具(サポーター)を装着しての運動などが行われます。受傷後、早い段階から膝装具を装着し、痛みがない範囲で関節を動かす訓練を行うことで筋力低下を抑えるようにします。

手術

膝前十字靱帯損傷は保存的治療で治癒する可能性は低いため、手術が選択されるケースも少なくありません。一般的に行われている手術は、患者本人の腱などを用いて損傷した靱帯を再建する“靱帯再建術”です。手術では、患者の体への負担を軽減するために関節鏡と呼ばれる内視鏡が用いられることが一般的です。

予防

膝関節捻挫は上述したように、直接的な外力が加わって生じる場合と、間接的な外力が膝に伝わることで生じる場合があります。

直接的な外力による膝関節捻挫は、交通事故やコンタクトスポーツが原因であるため、避けることが難しいといえます。一方で間接的な外力による膝関節捻挫は、正しいフォームや負担の少ない動きの習得により、ある程度予防できる可能性があります。具体的には、ジャンプ動作、急激なストップ動作や方向転換などにおいて、膝に過度な負担がかからないような動きを習得することが大切です。そのほか、膝の周辺の筋肉を強化することや、運動の際にサポーターを着用することも予防につながります。

また、膝関節捻挫の中には目立った症状がないまま進行していくケースもあります。膝に外力を受けた後に、軽度であっても痛みが続く場合や膝の不安定性を自覚した場合は、医療機関の受診を検討するとよいでしょう。

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