ひざじんたいそんしょう

膝靱帯損傷

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

膝靱帯損傷(ひざじんたいそんしょう)とは、スポーツなどによって膝の靱帯に損傷を負うことです。

ひざでは以下4つのじん帯が膝の関節の動きをコントロールしています。

  • 内側側副靱帯(ないそくそくふくじんたい)
  • 外側側副靱帯(がいそくそくじんたい)
  • 前十字靱帯(ぜんじゅうじじんたい)
  • 後十字靱帯(こうじゅうじじんたい)

膝靱帯損傷は、急速にストップやターンを繰り返すスポーツや衝突の激しいスポーツ(コンタクトスポーツ)などを行うときなどに起こります。膝靱帯損傷では膝が痛む、腫れる、膝を動かしにくくなる、といった症状が現れます。

原因

膝靱帯損傷は、膝に大きな力が加わったときに起こります。たとえばサッカー、ラグビー、バレー、バスケットボール、スキーなどのスポーツを行うときや、交通事故に遭ったときなどが挙げられます。

スポーツの最中では、下記のような場面で膝の靱帯を損傷してしまう可能性があります。

  • 選手同士で体が接触する(相手選手による前方からのスライディングタックルなど)
  • 体をひねる動作をする
  • 急な方向転換をする
  • 足を地面に固定したまま、膝に力が加わる、過度に膝を伸展する
  • 足が底屈した状態で、曲げた膝を下にして転倒する

など

また力のかかり方や、力が加わった方向によって、損傷する靱帯が異なります。一般的には、以下のような力が加わることで、それぞれの靱帯が損傷します。

  • 膝の外側から力が加わったとき:内側側副靱帯(MCL)損傷
  • 膝の内側から力が加わったとき:外側側副靱帯(LCL)損傷
  • 膝の骨の上端(脛骨上端)の前内方へ力が加わったとき:前十字靱帯(ACL)損傷
  • 膝の骨の上端(脛骨上端)の後方へ力が加わったとき:後十字靱帯(PCL)損傷

大きな力が加わると、複数の靱帯を同時に損傷することもあります。この4つの靱帯のなかでもっとも多いのは、内側側副靱帯とされています。

症状

膝靱帯損傷では、下記のような症状がみられます。

  • 膝の痛み
  • 膝の可動域が狭くなる
  • 膝が腫れる
  • 膝の不快感
  • 膝の不安定感

など

損傷の程度や、損傷した靱帯にもよりますが、膝靱帯損傷では受傷してから数時間以内に、腫れ、痛み、不快感などが現れます。膝の腫れが目立つときには、関節のなかで出血が起こっていることが考えられます(関節内血腫(かんせつないけっしゅ))。

膝靱帯を損傷してから3週間程度は、膝に痛み、可動域の制限、腫れなどがみられます。

検査・診断

診察のときには、受傷したきっかけを問診で明らかにします。また、どのような場面で、膝にどのような方向から力が加わったのかを明らかにすることで、どの靱帯を損傷したのかを推測することができます。

また、膝を動かして損傷を確認する検査(Lachmanテスト、pivot shiftテスト、後方引き出しテスト、内反安定性テストなど)が行われます。これらのテストで膝の動きや安定性などをみることで、損傷の部位を判断していきます。

加えて、単純X線検査やMRIといった画像検査を行うこともあります。画像検査では骨折、骨片剥離、半月(板)損傷合、そのほかの靱帯損傷を合併しているかどうかの確認にも役立ちます。

治療

膝靱帯損傷の治療には、保存療法と手術療法の主に2つがあります。

保存療法

サポーターを装着しながら、可能な範囲で膝を動かし、徐々に動かせる範囲を広げていきます。同時に圧迫包帯、氷冷、抗炎症薬などを使いながら、膝の腫れや痛みをコントロールしていきます。治療の初期ではギプス固定を行うこともあります。

手術療法

手術を行うことで靱帯を修復、あるいは再建させます。

内側側副靱帯損傷では、多くの場合保存療法を行うことで治癒すると考えられます。一方で、前十字靱帯損傷は保存療法では治癒が困難なものもあり、手術を選択することが多くなります。

後十字靱帯を単独で損傷したときには、スポーツ活動に支障を来さないような場合もあり、まずは保存療法を試みるようにします。

また外側側副靱帯でも、完全に靱帯が断裂していない場合には早期からの可動域訓練、体重負荷、保護装具使用、筋力強化などの保存療法を行います。

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