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ぜんじゅうじじんたいそんしょう

前十字靱帯損傷

最終更新日
2020年04月15日
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2020/04/15
更新しました。

概要

前十字靱帯損傷とは、膝関節に過度なひねりが加わることによって、膝関節の安定性を維持する前十字靱帯にダメージが加わる外傷のことです。靱帯へのダメージの程度はさまざまで、靱帯が軽度に伸ばされて炎症を起こすものから断裂が生じるものまであります。

前十字靱帯は、大腿骨(だいたいこつ)(太ももの骨)の外側と脛骨(けいこつ)(すね)の骨)を交差するようにつなぐ靱帯です。歩行時などに脛骨が前方へ移動するのを防ぐストッパーのような役割を担っており、膝関節の安定性を維持する要ともいえる重要な構造です。

前十字靱帯は非常に強固な靱帯であるため、通常は損傷を受けることはありません。しかし、主にスポーツ中などで膝関節に瞬時的な強いひねりが加わると、前十字靱帯が引き伸ばされて損傷を受けることがあります。重度な場合には断裂が生じることも少なくありません。

原因

前十字靱帯損傷の主な原因は、膝関節に瞬時的な強いひねりが加わることです。 具体的には、ダッシュをしてからの急激な方向転換やストップ、バスケットボールやバレーボールでのジャンプからの着地時、スキーやスノーボードなど足を固定したままでの転倒、ラグビーやアメリカンフットボールでの後方からのタックルなどによって引き起こされます。

前十字靱帯損傷はスポーツ中に生じやすい外傷のひとつですが、交通事故などで膝に強いひねりが加わればスポーツ中でなくても受傷するケースも少なくありません。

症状

前十字靱帯損傷は靱帯が受けたダメージの強さによって大きく異なります。

靱帯が軽度に引き伸ばされて炎症が生じているような場合には、受傷後に膝の痛みや腫れ、 熱感などが生じ、歩行時に膝が外れやすくなる場合や崩れやすくなるといった違和感を覚えることはありますが、ほとんどは自然に回復していきます。

一方、靱帯に断裂が生じているような場合では、受傷時に靱帯が切れる音を感じたり、膝が崩れたりするような感覚が生じます。そして、数時間~数日経過すると膝関節の内部に血がたまって膝全体が大きく腫れあがり、痛みも増していきます。しかし、3週間ほどで痛みや腫れは徐々に治まり、その後は歩行中やスポーツ中に膝が崩れるといった症状が続いていきます。

検査・診断

前十字靱帯損傷が疑われる症状が見られた場合、診断のためには次のような検査が行われます。

画像検査

診断の基本は画像検査です。一般的には、骨折の有無を調べるためにX線検査を行いますが、前十字靱帯はX線で描出することはできません。

一方、現在、前十字靱帯損傷の診断方法として広く行われているのがMRI検査です。MRIは靱帯を描出できるだけでなく、半月板や関節軟骨の状態も詳しく調べることができるので前十字靱帯損傷の確定診断に適した検査となっています。

関節鏡検査

膝関節内に内視鏡を挿入して直接観察する検査です。内視鏡が映し出す内部の状況を リアルタイムで観察できるため非常に優れた検査ですが、検査を行うには皮膚(ひふ)を切開して内視鏡を挿入しなければならず、さらに関節内の細菌感染などのリスクも伴います。このため、単に診断のみを目的として関節鏡検査を行うことは少なく、手術を行うことを前提として膝関節の内部を詳しく調べるために行われるのが一般的です。

治療

前十字靱帯損傷の治療は、損傷の程度や受傷後の生活によって大きく異なります。

まず、損傷が軽度なケースや受傷後にスポーツをする機会が少ないケースでは、たとえ靱帯が断裂していたとしてもギプス固定やサポーターの装着などによって患部の安静を図りながらリハビリを行っていきます。

なお、断裂したり強い損傷を受けたりした前十字靱帯は、自然に修復されることはありません。これらの保存的な治療は前十字靱帯損傷自体を治すのではなく、ダメージを受けた前十字靱帯はそのままに、筋力低下を防止することなどによってその後の ADL(日常生活動作)を維持することが目的となります。

一方、前十字靱帯の損傷が強いケースや断裂しているケースで受傷後も盛んにスポーツを行う場合には、ダメージを受けた前十字靱帯を修復するための手術が行われます。手術は関節鏡を用いて行うので、関節を大きく切開することがなく体への負担を抑えることが可能です。

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