概要
膝関節内にある半月板がスポーツ中のけがや交通事故などによって損傷を受け、さまざまな障害を引き起こすことを半月板損傷といいます。
半月板は、膝関節においてクッションのような役割や、関節を安定させるなどの役割を担っており、半月板が損傷すると、膝の曲げ伸ばしの際に痛みや引っかかりを感じるようになります。重症化すると歩行が困難なほどの痛みが生じるケースも珍しくありません。また、一度半月板損傷を起こすと、時間が経過した後に膝関節の機能低下を起こしやすいといわれており注意が必要です。
半月板損傷に対する治療方法は重症度によって異なりますが、軽症の場合には痛み止めやリハビリテーションなどによる保存的治療が行われます。それらによって十分な効果が得られない場合や損傷が大きい場合には手術が行われます。
原因
半月板損傷は、スポーツや交通事故などを原因とする外傷性の損傷と、加齢によって半月板が傷つきやすくなったところに力が加わって起こる変性断裂に分けられます。脛骨(すねの骨)と大腿骨(ももの骨)の間に挟まれている半月板が、縦または水平に断裂したり中心部分のみ損傷したりすることで、痛みや曲げ伸ばしの際の引っかかりを生じます。
さらに外傷性の場合は、半月板のみが損傷を受ける場合もありますが、前十字靱帯や内側側副靱帯などの損傷に合併する場合が多くあります。
また、外傷や加齢による変性以外の要因として、生まれつき半月板が大きく厚い円板状半月が挙げられます。通常の半月板に比べて膝関節の中で引っかかりやすく、ダメージが繰り返されることで損傷が生じます。
症状
損傷の程度によって症状は異なりますが、痛みのほかに、膝の曲げ伸ばしの際に引っかかりを感じる、膝の曲げ伸ばしができなくなるなどの症状(ロッキング)がみられます。ロッキングを生じると強い痛みを伴い、歩行などが困難になります。
そのほか、膝関節内で炎症が起こり、水がたまって腫れが生じたり、出血して血液がたまったりすることもあります。
検査・診断
膝の痛みなどから半月板損傷が疑われる場合には、受傷のきっかけや痛みが生じた経緯について確認するほか、膝にストレスをかけて痛みなどを確認する徒手的検査が行われます。
膝の状態を確認するためにX線検査なども行われますが、X線検査では半月板が映し出されないため、MRI検査で半月板の損傷部位や形状を確認します。MRI検査では、半月板だけでなく周囲の靱帯の状態も詳細に観察することができます。
治療
治療は保存的治療と手術の2つに分けられます。
症状が軽い場合や半月板の回復が期待できる場合は保存的治療が行われ、運動療法や膝関節内へのヒアルロン酸注射、足底板の使用などが選択されます。
一方で、半月板の回復が期待できず、半月板が痛みや引っかかりの原因となっている場合には、手術によって半月板を切除したり修復したりする治療が必要です。なお、手術は皮膚を小さく切開して、膝関節内に関節鏡と呼ばれる内視鏡を挿入して行われます。
予防
半月板損傷の多くはスポーツ中などに膝を捻ったり、強く伸ばしたりすることをきっかけに発症します。特にジャンプの着地や急な方向転換、キック動作が誘因となることが多いため、無理な動作を避けることが半月板損傷の発症予防につながります。
また、半月板損傷は加齢による組織の変性や、生まれつきの形状の変化によって引き起こされることがあります。膝の関節に痛みや違和感を覚えたときは軽く考えずにできるだけ早めに医療機関を受診しましょう。
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鈴木 英一 先生 (神奈川県)
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