きょけつせいだいちょうえん

虚血性大腸炎

最終更新日
2017年04月25日
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2017/04/25
掲載しました。

概要

虚血性大腸炎とは大腸に血流障害が生じた結果、腹痛や嘔吐、血便などが現れる病気で、高齢者に多くみられます。虚血性大腸炎は重症度に応じて「一過性型」「狭窄型」「壊死型」の3つに分類されます。なお、予後の観点の違いから、前二者を狭い意味での虚血性大腸炎とする見方もあります。

大腸を構成する壁は、腸の内腔に接するほうから深くなるにつれて、粘膜、粘膜下層、筋層などがあり、どの程度の深さまで障害を受けるかによって重症度が異なります。一過性型は粘膜、粘膜下層に病変が留まっているため、腸管安静を保つことで後遺症を残すことなく治癒が期待できます。しかし、さらに深い筋層まで血流障害の影響がおよぶと、腸管全体が狭窄してしまうこともあります。
 

原因

虚血性大腸炎は大腸に分布する血管性病変を原因として発症します。正常な大腸では、幅広い大腸粘膜に対して充分な血液が供給されていますが、虚血性大腸炎では大腸粘膜に対して血流障害が生じます。

高血圧糖尿病、高脂血症などがあると動脈硬化の原因となりますが、大腸に分布する血管に関しても例外ではありません。動脈硬化となると大腸粘膜に対する血流障害(虚血)が生じ、結果的に虚血性大腸炎が発生します。また、便秘も虚血性大腸炎の発症につながる危険因子となりえます。
 

症状

虚血性大腸炎では大腸に対して虚血が生じることで、お腹の痛みを自覚します。さらに、痛みによる冷や汗や吐き気、嘔吐などの症状もみられます。

また、虚血が原因で大腸の粘膜が損傷を受け、粘膜が腸管壁からはがれ落ちることがあります。このとき、下痢や鮮血便、鮮血が混じった下痢といった出血を伴う症状を認めます。また、下痢や鮮血便、腹痛などの症状を起こす病気に憩室炎や感染性腸炎潰瘍性大腸炎クローン病などがあります。治療方針を正確に決定するためには、これらの病気との鑑別を行うことが重要です。
 

検査・診断

虚血性大腸炎の検査には、下部消化管内視鏡検査があります。下部消化管内視鏡検査では、粘膜面の発赤、浮腫、出血、さらには多発性のびらん、潰瘍などの大腸粘膜の障害がないかを確認します。さらに、下部消化管の造影検査を行うことで「拇指圧痕像(ぼしあっこんぞう)」とよばれる特徴的な所見が得られることもあります。

また、検査では壊死の進行を評価することも重要です。そのために、血液中のLDHやCKなどのマーカーの上昇を確認します。また、虚血性大腸炎ではアシドーシスが進行することもあるため、これを確認するための血液検査も重要です。
 

治療

虚血性大腸炎は多くの場合、腸の安静を図る保存的療法で症状の改善が期待できます。腸を休ませるために絶食しますが、そのあいだ脱水を防ぐために補液の点滴も行います。1〜2週間で腸管粘膜は修復され、症状が改善することがほとんどです。症状の消失具合を図りながら、徐々に食事を開始し、症状再燃がないことを確認します。また、重症な場合には抗生物質の点滴も考慮します。

大腸壁のさらに奥深くの筋層まで虚血症状が進行した場合には、腸管壁が狭窄することもあります。この場合、腸管内容物の通過障害を併発することもあり、イレウス症状が現れることもあります。そのため、狭窄部位の通過をスムーズにさせるために、病変部位の腸管切除を行うことも検討します。
 

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