せきしょくへいかつぜつ

赤色平滑舌

最終更新日
2023年11月17日
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2023/11/17
更新しました
2017/04/25
掲載しました。

概要

赤色平滑舌とは、舌の粘膜表面に密生している舌乳頭と呼ばれる突起が消失して平らになり、全体的に赤く見えるようになる病気のことです。主な原因は鉄欠乏性貧血であり、動悸、息切れ、倦怠感などの症状を伴うことが多いとされています。そのほか、悪性貧血(ビタミンB12の吸収不足によって引き起こされる貧血)やシェーグレン症候群などの病気、加齢も赤色平滑舌の原因となります。

赤色平滑舌を発症すると、飲食物がしみたり、灼熱感を伴う痛みが生じたりすることがあります。また、味覚障害などを引き起こすこともあります。多くは原因となる病気の治療を行い症状の改善を目指しますが、一方で加齢が原因の場合などは根本的な治療法はなく、症状を抑えるための対症療法を行います。

原因

赤色平滑舌は病気の症状の1つとして引き起こされることが多く、もっとも多い原因は鉄欠乏性貧血とされています。そのほか、胃の切除や萎縮性胃炎によるビタミンB12欠乏によって引き起こされる悪性貧血、加齢やシェーグレン症候群などによる唾液分泌量低下も赤色平滑舌を引き起こすことがあります。

症状

赤色平滑舌では、舌の粘膜表面の舌乳頭が消失することで表面が赤く平滑に見えるようになります。舌が萎縮した状態となるため、舌の体積は小さくなります。

また、赤色平滑舌を発症すると、飲食物がしみたり灼熱感を伴う痛みを引き起こしたりします。そのほか、味覚を感じにくくなったり、物をスムーズに飲み込む力が低下したりすることもあります。

赤色平滑舌は鉄欠乏性貧血などの病気によって引き起こされることが多く、口の中の症状だけでなく、動悸、息切れ、倦怠感などを伴うこともあります。また、爪の真ん中がスプーンのようにくぼむ“匙状爪(さじじょうづめ)”や口角炎などの症状が現れることもあります。進行すると、高度の口角炎、舌炎嚥下(えんげ)障害が現れることがあります(プランマー・ビンソン症候群:Plummer-Vinson syndrome)。

検査・診断

赤色平滑舌は、鉄欠乏性貧血などの病気によって引き起こされることが多い病気です。赤色平滑舌では口の中を観察し、発症原因を特定するために以下のような検査が行われます。

血液検査

貧血の有無などを確認するために血液検査を行う必要があります。また、貧血の原因を探るために腫瘍(しゅよう)マーカーなどを調べることもあります。

画像検査、内視鏡検査

赤色平滑舌は鉄欠乏性貧血などによって引き起こされることが多いため、必要に応じて消化管出血やがんなどの病気がないか調べることを目的に超音波などによる画像検査、内視鏡検査などを行うことがあります。

治療

赤色平滑舌の症状は、原因となる病気がある場合はそれに対する治療を行うことで改善を目指します。具体的には、鉄欠乏性貧血に対する鉄剤の投与、悪性貧血に対するビタミンB12薬の投与などが挙げられます。

一方で、赤色平滑舌は加齢などによる唾液分泌量の低下が原因となって引き起こされることも少なくありません。そのような場合には根本的な治療法はなく、含嗽薬(がんそうやく)や保湿薬などによる対症療法が行われます。シェーグレン症候群のように高度な口腔乾燥を引き起こす場合は唾液分泌促進薬が処方されます。

予防

赤色平滑舌は鉄欠乏性貧血や悪性貧血などの病気に伴うことも多いため、これらの病気がある場合は適切な治療を継続して行うことが赤色平滑舌の発症予防につながります。

また、赤色平滑舌は唾液分泌量が低下することによっても引き起こされます。唾液分泌量が低下する原因はさまざまですが、生活習慣の乱れやストレスなどが関係している場合もあるため口の乾きを自覚したときは生活を見直すことも大切です。

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