症状
先天性の陥没乳頭は乳頭が陥没していることが主な症状です。また、先天性の陥没乳頭はその程度により、以下のように分けられます。
- 軽症:陥没乳頭を簡単に指で引き出せるが、いずれまた陥没するもの
- 中等症:ピンセットなどで何とか引き出すと突出するが、離すとすぐに陥没するもの
- 重症: 指ではまったく引き出せず、手術をしなければ乳頭が出てこないもの。くぼんでいるところに汚れがたまり感染を起こすと、赤くなったり腫れたり、乳頭や乳輪から膿が出ることもあります。炎症を繰り返すと固さを触れることもあります。
後天性のうち、乳がんなどの悪性の病気が陥没乳頭の原因となっている場合は、乳頭から透明または血が混じった分泌物が出たり、乳頭がただれたり、しこりを触れることもあります。これらの病気が原因となっている場合は、陥没乳頭の手術を行うことでがんの発見を遅らせることがあるため、検査などによる鑑別診断が重要となります。受診時は、正確な症状を主治医に伝えるようにしましょう。
参考文献
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- 酒井成身,他.形成外科 Vol.53 2010年増刊号 形成外科の治療指針 update 2010.2010;53:S133.
- 梶川明義,他.形成外科 Vol.62 2019年増刊号 形成外科の治療指針 update 2019.2019;62:S138.
- 津川浩一郎.乳癌の臨床.2016;31(5):405-405.
- 小宮貴子,他.PEPARS 実践的局所麻酔ー私のコツー.2012;72:20-27.
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