原因
先述のように食道炎の原因はさまざまですが、そのなかでもっとも多くを占めているのは、胃から食道への酸性の内容物の逆流によるもの(胃食道逆流症)です。
もともと胃と食道の境目には、胃の内容物が逆流しないように逆流防止装置があり、通常は胃酸が食道へあがることはありません。この防止装置は食道の下部にある筋肉(下部食道括約筋)にあたり、食道と胃の境目を閉じることで維持されています。
しかし、食道裂孔ヘルニア(胃の一部が食道に飛び出てしまい食道と胃の境目が閉じにくくなる病態)があったり、この下部食道括約筋が一時的に緩んだりすると、胃の内容物が逆流してしまうのです。一時的な下部食道括約筋の緩みは、脂肪を摂った時に出るホルモンや、そのほかさまざまな食べ物の影響を受けるといわれています。
油っこい食事や、アルコール、刺激のある食事を食べたあとに胸やけが起こりやすいのはこのためだと考えられます。また、食べ過ぎて胃が内容物でパンパンであったり、肥満があって腹圧がかかりやすかったりすると、より逆流が起こりやすくなります。
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