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食道裂孔ヘルニア

最終更新日
2021年12月06日
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2021/12/06
更新しました
2017/04/25
掲載しました。

概要

食道裂孔ヘルニアとは、胸とお腹を隔てる横隔膜の“食道裂孔”と呼ばれる穴から胃の一部が胸の方に飛び出す病気のことです。口から取り入れた飲食物を胃へ送る食道は、喉から胸を通ってお腹へ至りますが、横隔膜の食道裂孔を通って胃につながります。通常、食道裂孔は狭い穴であるため胃が入り込むことはありません。しかし、横隔膜は筋肉でできているため、加齢によって筋力が低下したり、肥満、妊娠、慢性的な咳などで腹圧が上がったりすると食道裂孔から胸側へ滑り込むように飛び出してしまうのです。

食道裂孔ヘルニアを発症すると、胃の内容物が逆流し、吐き気、胃もたれ、胸の痛み、むせる(咳込む)などの症状を引き起こすこともありますが、多くは自覚症状がないとされています。一方、胃の一部が食道裂孔にきつくはまり込むように飛び出すタイプの食道裂孔ヘルニアの場合は、胃への血流が低下するため痛みを伴い、重症な場合は手術が必要になることがあります。

原因

食道裂孔ヘルニアは、胃の一部が横隔膜の食道裂孔を通って胸側に飛び出す病気です。

もっとも多い原因は加齢による筋力の低下が原因で、筋肉でできている横隔膜の食道裂孔が緩くなることとされています。そのほか、肥満や妊娠喘息慢性気管支炎などの咳が頻回に出る病気や、背中が丸くなることなどによって腹圧が上がり、胃が押し上げられることも食道裂孔ヘルニアを引き起こします。

症状

食道裂孔ヘルニアは、胃と食道の境目がそのまま胸側へ飛び出す“滑脱型”、胃と食道の境目はお腹側にあるものの、胃の壁の一部のみが食道の横を通って胸側へ飛び出す“傍食道型”の2つのタイプに分けられます。

滑脱型がもっとも多いとされていますが、自覚症状はないこともしばしばあります。しかし、大きく飛び出している場合は、胃の内容物が食道に逆流しやすくなり、胸やけ、吐き気、胃もたれ、前胸部のヒリヒリ感、喉の違和感などを引き起こします。また、飛び出した胃が心臓や肺を圧迫して呼吸困難などの重篤な症状を引き起こすことがあります。

一方、傍食道型は珍しく、こちらも自覚症状はほとんどないとされています。しかし、飛び出した胃が食道裂孔にはまり込んで締め付けられると腹痛などの症状を引き起こすことがあり、血流が低下するため重症な場合には壊死(えし)や胃粘膜からの出血が生じることもあります。

検査・診断

食道裂孔ヘルニアが疑われるときには次のような検査が行われます。

画像検査

胸側に胃の一部が飛び出していないか調べるため、X線検査、CT検査などによる画像検査が行われます。多くはこれらの検査で診断をすることが可能ですが、飛び出した胃や食道の状態、位置関係をさらに詳しく調べるために、バリウム検査が行われることもあります。

内視鏡検査

鼻や口から内視鏡を挿入し、食道や胃の内部を詳しく観察する検査です。食道裂孔ヘルニアの診断を下すことができるだけでなく、胃内容物逆流による食道の炎症の程度などを評価することも可能です。

治療

食道裂孔ヘルニアは多くが無症状であり、自覚症状があったとしてもごく軽度なケースがほとんどです。このような場合は基本的に治療の必要はありません。

しかし、胃の内容物の逆流によって食道の粘膜が炎症を起こしたり、胸やけなどの症状が強かったりする場合は、胃酸の産生を抑制するための薬が使用されます。多くは薬物療法で改善しますが、症状が強く日常生活に支障をきたすような場合、胃が食道裂孔にはまり込んだ状態となった場合は、飛び出した胃や食道を元の位置に戻して食道裂孔を縫い縮める腹腔鏡下手術(ふくくうきょうかしゅじゅつ)が行われます。

予防

食道裂孔ヘルニアの原因は多々ありますが、肥満や筋力低下生活習慣に起因するケースも少なくありません。発症を予防するには、食事、運動などの基本的な生活習慣を改善し、肥満などを予防することが大切です。また、食道裂孔ヘルニアは姿勢の悪さによって引き起こされることもあるため、正しい姿勢をキープするようにしましょう。

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