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高IgD症候群

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原因

高IgD症候群は、メバロン酸キナーゼと呼ばれる酵素の働きが低下していることが原因として発症します。メバロン酸キナーゼはコレステロール代謝において重要な酵素であり、MVKと呼ばれる遺伝子情報をもとにして作成されます。 体内に広く存在するコレステロールは、食事中に含まれる三大栄養素(糖質、タンパク質、脂質)をもとにして合成されます。

三大栄養素はそれぞれの処理を受けた後に「アセチル-CoA」と呼ばれる物質に変化し、コレステロール合成に使用されます。コレステロール合成はいくつもの酵素反応が関与した経路であり、途中「メバロン酸」から「5-ホスホメバロン酸」に変換されるステップがあります。この反応に関わる酵素のことをメバロン酸キナーゼと呼びます。

メバロン酸キナーゼなどの酵素が協調して働き合成されたコレステロールは、その後ステロイドや胆汁酸などへと変換されます。 メバロン酸キナーゼの産生に重要であるMVK遺伝子に異常が生じると、メバロン酸が蓄積していきます。メバロン酸キナーゼの機能がどの程度まで低下しているかはまちまちであり、臨床症状の重症度とも相関します。

症状が軽い場合を「高IgD血症」、より重症のものを「メバロン酸尿症」とそれぞれ呼び、包括的に「メバロン酸キナーゼ欠損症」と呼ばれます。 高IgD症候群は、「常染色体劣性遺伝」といった遺伝形式をとります。

ひとの細胞の中にMVK遺伝子は2つ存在していますが、父親と母親からそれぞれ1つずつ受け継いでいます。1つのMVK遺伝子に異常が存在する場合、残りの1つが正常な酵素機能を代償することができるため病気を発症することはありません(ただし病気の保因者にはなります)。

一方、両親ともが1つずつ異常なMVK遺伝子を有する場合、理論的に25%の確率でお子さんが異常なMVK遺伝子を2つ有することになり、結果として病気を発症することになります。そして、50%の確率でお子さんが病気の保因者になります。

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高IgD症候群でよりよい治療を行うためには、普段のご自身の症状や状態、治療の希望を医師にしっかりと伝えることがとても大切です。

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