おうはんえんこう

黄斑円孔

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

黄斑円孔とは、黄斑と呼ばれる網膜の一部分に穴があく病気を指します。黄斑は網膜のなかでも特に重要な機能を有しているため、ここに穴が開くと、視力低下、もののゆがみ、といった症状を呈するようになります。

黄斑円孔は、60歳前後で発症することが多く、特に近視の方や女性に多く見られる傾向があります。黄斑円孔では黄斑部以外の網膜は正常に保たれるため、完全な失明には至りません。しかし0.1以下の視力になってしまうこともあります。黄斑円孔を発症すると、眼鏡などで矯正をしても充分な視力回復は期待できません。黄斑円孔は自然回復が見込めないことから、手術による治療介入が必要になります。
 

原因

角膜から目の中に入った光は、水晶体や硝子体と呼ばれる透明な部分を通過して、眼球の中を裏打ちする網膜と呼ばれる部分に到達します。網膜とは目の中に張り付く形で存在する神経で形成される膜であり、物体情報を脳へと送り込み、視覚として自覚することになります。

ものの見え方に重要な役割を果たす網膜ですが、感知力は網膜全体を通して均一というわけではなく、よく見える、視力の形成にはさほど重要ではないなど、部位に応じた視力の違いがあります。網膜の中でも中心窩と呼ばれる部分は最も視力に鋭敏で、ここを囲う形で黄斑があり視力の形成になくてはならない部位です。眼球の内部には硝子体と呼ばれる物質があります。加齢が進行すると硝子体が収縮して眼球を内側から引っ張るようになります。硝子体は、眼球を裏打ちする網膜とも接触しているため、収縮することで網膜の一部である黄斑も引っ張られるようになります。

正常ではやや凹んだ形で存在する黄斑ですが、黄斑円孔の初期段階では網膜が引っ張られることで平坦になります。病気が進行するにつれて、黄斑部の中心の網膜に欠損ができて、円孔になります。黄斑円孔は加齢現象がきかっけとなって発症することが多いです。また近視も一つの危険因子となります。
 

症状

黄斑円孔では視力形成に重要な役割を担う黄斑が障害を受けるため、視力に関連した症状が出現します。初期症状としてはものが見えにくさ、もののゆがみなどがあります。

黄斑円孔の病変が拡大するにつれて、見えにくい部分も大きくなり、また視力低下も進行します。視力低下は黄斑部病変の拡大に伴い進行しますが、その他の網膜は正常なまま保たれます。正常な網膜も保たれるため、視力低下を来すとはいえ完全な失明に至ることはありません。なお、黄斑円孔は両側性に発症することもあります。
 

検査・診断

黄斑円孔では、視力検査にて視力測定を行います。また、実際に黄斑部位に孔があいていることを確認するため眼底検査や光干渉断層計といった検査を実施します。眼底検査では黄斑部の形態学的な変化を観察することが可能です。光干渉断層計では、網膜の断面を細かく観察可能なことから、眼底検査のみでは判らないような小さな病変も察知できます。
 

治療

黄斑円孔は自然治癒することはなく、また眼鏡などによる視力矯正もできないため、手術による治療介入が必要になります。手術介入を行うかどうかは、病変部位の進行程度、黄斑円孔が発症してからの時間などを加味して最終決定します。

黄斑円孔は硝子体が黄斑部を引っ張ることを原因として発症しますので、硝子体を切除します。その後、眼球内にガスを注入して、内側から穴があいている部分に圧力をかけます。内側からの圧力の影響で黄斑部の穴は小さくなり、また患者さん自身がもつ修復機能が相まって完全に円孔が閉鎖することが期待できます。

ガスによる高い効果を期待するために、術後しばらくはうつ伏せの姿勢を取ることが必要になります。黄斑円孔による視力低下では、手術で改善が期待できますが、どの程度まで改善するかは個人差があります。多くの患者さんにおいて、日常生活に不自由を感じないレベルまでの視力改善を期待することが可能です。
 

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