びそ

鼻疽

最終更新日:
2024年11月19日
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2024/11/19
更新しました
2017/04/25
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概要

鼻疽とは、鼻疽菌という細菌によって引き起こされる感染症です。鼻疽に感染した馬やロバといった動物の分泌物に触れたり、吸い込んだりすることなどによって感染します。

日本では4類感染症に指定されているため、鼻疽への感染が疑われる事例については医師が早急に保健所に届け出ることが義務づけられています。

人への感染例は少ないものの、治療しなかった場合の致死率が高いため、早期に抗菌薬による治療を開始することが重要と考えられています。

近年は、日本国内での感染例の報告はありませんが、流行地域である東アジアなどの地域に渡航された方の感染例が数例報告されています。そのため、流行地域に渡航する際には動物との接触を避けることが重要です。

原因

鼻疽菌という細菌に感染した馬やロバなどの動物の分泌物に触れる、吸い込む、または食肉として摂取することなどが原因で感染します。

人から人への感染はほとんどないといわれているものの、家族内などでの濃厚接触によって感染した事例もあるため流行地域に渡航する際には注意が必要です。

症状

鼻疽菌に感染すると1~14日程度の潜伏期間の後に発症することが多いものの、中には数年の潜伏期間を経て発症する場合もあります。症状の出方は、鼻疽菌の感染経路によって異なります。

皮膚の傷口などから感染した場合は、赤く腫れたり痛みが出たり、皮膚がただれてが排出されたりします。目や鼻などの粘膜から感染した場合には、涙や膿汁などの分泌物が出ます。このような局所的な感染が肺や肝臓、脾臓などの複数の臓器に広がると、膿瘍が形成されます。肺に感染が及ぶと、膿瘍のみならず肺炎胸膜炎敗血症などを引き起こすこともあります。

そのほか、発熱や頭痛、倦怠感、筋肉痛などの全身症状を伴います。

検査・診断

鼻疽が疑われる場合には、や痰などの分泌物を採取して病原体を特定します。一般的に培養法を用いることが多いとされています。

肺や腹部などの臓器に感染が広がっていないかを確認するため、必要に応じてX線検査やCT検査などの画像検査を行います。

治療

鼻疽に対しては抗菌薬による治療が行われます。検査結果や重症度などに応じて使用する薬物の種類や投与期間は異なります。ときに長期間にわたって治療が必要なケースもあります。

未治療のまま経過した場合、鼻疽の致死率は90~95%程度といわれています。そのため、鼻疽が疑われる場合には、適切な医療機関で検査を行って早期に治療を開始することが重要です。

予防

2024年11月現在、鼻疽の予防に有効なワクチンはありません。鼻疽の発生地域に渡航する際などは、馬やロバなどの動物と接触するのを避けることが推奨されます。

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