びそ

鼻疽

耳・鼻

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概要

鼻疽とは、鼻疽菌によって引き起こされる感染症です。日本においては四類感染症に指定された感染症であり、病気の発生があった場合には、医師が届出をすることが義務づけられています。

2007年以降日本において報告された例はありません。しかし、世界的にみると、人への感染が散発的に発症していることが報告されています。

*四類感染症とは「動物又はその死体、飲食物、衣類、寝具その他の物件を介して人に感染し、国民の健康に影響を与えるおそれのある感染症」と定義されています。

原因

鼻疽菌に感染することを原因として発症します。鼻疽菌は主に、馬やロバ、ラバなどに感染症を引き起こす病原体です。

鼻疽を発症した馬などの唾液、血液などの体液や組織のなかには鼻疽菌が含まれています。傷ついた皮膚、粘膜などが鼻疽菌に接触すると、人にも鼻疽菌が感染して発症します。

また、環境中に存在する鼻疽菌が空気中に舞い込むこともあり、それを吸入することでも感染が成立する可能性があります。

症状

鼻疽菌に感染すると、1日~2週間ほどの潜伏期間を経て(時に年単位の潜伏期間になることもあります)発症に至ります。以下の症状があります。

  • 突然の発熱や倦怠感
  • 寒気
  • 筋肉痛
  • 頭痛
  • 光に対しての過敏反応

など

傷ついた皮膚などから鼻疽菌が入り込むと、局所症状が前面に出ます。皮膚では潰瘍形成、局所リンパ節の腫脹(しゅちょう)などの症状がみられます。目の粘膜から病原体が侵入すると、涙目、目やになどがみられます。

鼻疽菌は呼吸器系を介して、肺炎を引き起こし、咳や痰、呼吸困難などの症状が現れることもあります。

急性期の段階で治療が奏功しない場合には命にかかわることもありますが、その一方で、慢性経過を示すこともあります。その場合は、皮膚や筋肉、肺、肝臓などに膿瘍(のうよう)形成をきたすこともあります。

検査・診断

診断は、皮膚や(うみ)、痰などの検体を用いて病原体を分離したり、PCR法と呼ばれる方法を使用して病原体特有の遺伝子を特定することで行います。

鼻疽では肺、皮膚、肝臓、脾臓などにさまざまな病変(病気による変化)をきたすことがあります。そのため、レントゲン写真や超音波検査、CTなどの画像検査や血液検査が行われます。

治療

原因である鼻疽菌に効果を期待できる抗生物質を用いて治療します。現在(2018年6月時点)、鼻疽菌に対してのワクチンは存在しません。感染を予防するためには、鼻疽が疑われる馬やロバなどには近づかないことが大切です。

日本では基本的には見られない病気ではありますが、発症が疑われる地域に渡航する際には注意が必要です。