原因
2型糖尿病を発症する仕組み
食事から摂取されたブドウ糖は、インスリンのはたらきによって筋肉や脂肪組織などに取り込まれ、エネルギーとして利用されます。また、インスリンには肝臓からのブドウ糖が過剰に放出されるのを抑えるはたらきもあります。2型糖尿病は、こうしたインスリンのはたらきが不足することで起こり、その主な要因には以下の2つがあります。
- インスリン分泌低下……膵臓から必要な量のインスリンを十分に分泌できなくなる状態
- インスリン抵抗性……インスリンは分泌されていても、筋肉、肝臓、脂肪組織などでインスリンが効きにくくなっている状態
インスリン抵抗性が生じると、膵臓はインスリンの分泌を増やして血糖値を保とうとします。この状態が長く続くと、もともとの体質や加齢などの影響も加わり、インスリンを分泌する膵臓のβ細胞の機能が徐々に低下します。
このように、体が必要とするインスリンの量に対して分泌が追いつかなくなると、筋肉などへのブドウ糖の取り込みが低下し、肝臓からのブドウ糖の放出も増えるため、高血糖が持続して2型糖尿病を発症します。
2型糖尿病の発症に関わる要因
2型糖尿病の発症には、遺伝的な体質と環境要因の両方が関わります。日本人を含む東アジア人は、欧米人に比べインスリンを分泌する力が低い傾向があり、強い肥満がなくても2型糖尿病を発症することがあります。ただし、2型糖尿病になりやすい体質があっても、必ず発症するわけではありません。過食、運動不足、肥満、加齢、喫煙、過量の飲酒、睡眠不足などの要因が重なることで、発症リスクが高まると考えられています。
2型糖尿病のリスクを高める生活習慣の例
- 食事……食べ過ぎや間食が多い、糖質や脂質に偏った食事、夜遅い時間の食事、早食いなど
- 運動不足……体を動かす時間が少ない、座っている時間が長い
- 肥満、体重増加……肥満度の指標であるBMI(Body Mass Index)の値が大きい、特に内臓脂肪が多い、20歳頃から体重が大きく増加している
- 飲酒……日本酒換算で平均2合以上/1日アルコールを摂取する習慣がある
- 喫煙、睡眠不足、慢性的なストレスなど
参考文献
- 日本糖尿病学会.糖尿病診療ガイドライン2024.南江堂.2024.第2章(pp.27-35),第5章(pp.85-114),第6章(pp.115-134)
- 日本糖尿病学会.糖尿病診療ガイドライン2024.南江堂.2024.第20章(pp.447-465)
- 日本糖尿病学会.糖尿病診療ガイドライン2024.南江堂.2024.第1章(pp.5-26)
- 日本糖尿病学会.糖尿病診療ガイドライン2024.南江堂.2024.第2章(pp.27-35)
- 日本糖尿病学会.糖尿病診療ガイドライン2024.南江堂.2024.第19章(pp.419-446)
- 日本糖尿病学会.糖尿病診療ガイドライン2024.南江堂.2024.運動療法関連項目
- 坊内良太郎ほか.2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム(第2版).糖尿病.2023.66巻.10号.pp.715-733
- 日本糖尿病学会.糖尿病診療ガイドライン2024.南江堂.2024.第5章(pp.85-114)
- 日本糖尿病学会.糖尿病診療ガイドライン2024.南江堂.2024.第5章の薬剤分類・作用に基づく(pp.85-99)
- 日本糖尿病学会.糖尿病診療ガイドライン2024.南江堂.2024.第6章(pp.115-134)
- 日本糖尿病学会.糖尿病診療ガイドライン2024.南江堂.2024.第2章(pp.27-35),第7~10章(pp.135-219)
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