治療
副腎クリーゼの予防と男性ホルモンの分泌抑制を目的として、本来副腎皮質で産生される糖質コルチコイド、鉱質コルチコイドの薬剤による薬物療法を行います。
糖質コルチコイド
ヒドロコルチゾンという薬剤などが、新生児期の治療から成人期の治療まで使用されます。薬の種類や投与量などによっては副作用が起こる可能性もあるため、医師の管理のもと、患者の状態などにより使い分けられます。
ストレス時(体調不良など)の内服
手術、外傷や火傷、歯科治療、高熱を伴う感染症などの身体的ストレスに対して、必要なコルチゾルの量が増加します。21-水酸化酵素欠損症ではコルチゾルが正常に分泌されないため、通常の薬物療法に加えて注射や点滴などで投与を行うことで副腎クリーゼの発症を防ぐ必要があります。
投与量はストレスの種類や程度にもよりますが、普段と同じ量を投与することも、3~4倍の量を投与することもあります。
鉱質コルチコイド
体内の塩分や水分の量は、多くは鉱質コルチコイドで調節されており、それを補う目的で薬剤(フルドロコルチゾン)を使用します。
外科的治療
21-水酸化酵素欠損症の女性患者は、副腎で過剰につくられる男性ホルモンの影響で外性器が男性化しており、外観や性機能の問題などから手術を行うこともあります。なお、子宮や卵巣は正常に保たれているため、適切な治療などを行うことで妊娠出産が可能です。
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