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4p欠失症候群

別名:4pモノソミー/4p-症候群/ウォルフ・ヒルシュホーン症候群

目次

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概要

4p欠失症候群(4pモノソミー、4p-症候群)とは、4番染色体の一部が失われることを原因として発症する病気です。ウォルフ・ヒルシュホーン症候群とも呼ばれ、国の指定難病並びに小児慢性特定疾病となっています。

発症率は出生5万人に1人といわれていますが、症状が軽い場合は見過ごされている可能性もあり、実際の頻度はもう少し高いことが推定されています。また、理由は不明ですが、男児に多いです。

4p欠失症候群では、特徴的な顔立ちや精神運動発達遅滞、知的障害、けいれんなどの症状が出現しますが、失われる染色体領域の部分に応じて、症状の出方には個人差があります。

根本的な治療方法はなく、生じている症状に対しての対症療法が中心となります。身体的な合併症に対しての治療介入はもちろん、療育面の支援も必要とされる病気です。

原因

ヒトの遺伝情報は、染色体と呼ばれるものの中に含まれています。染色体は、1番から22番までの番号が付いた常染色体と、性別を決定する性染色体があります。4p欠失症候群は、4番目の染色体の一部分が失われることを原因として発症します。

染色体には人の生命活動に関わる重要な遺伝子が多数含まれているため、染色体が失われることは遺伝子情報が失われることを意味しており、病気の発症につながると考えられています。

4p欠失症候群の多くは、遺伝性はなく突然変異的に発症するタイプのものです。しかし、一部には両親が病気の素因を有していることもあり、この場合には一定の確率で子どもに発症します。

症状

失われる染色体領域に応じて症状が異なるため、同じ病気の方でも症状はさまざまですが、そのなかでも顔立ちは特徴的です。具体的には、幅広い鼻の根元、突き出た額などの特徴があり、ギリシャ兵士のヘルメット様と表現されることもあります。

また、成長面にも遅れがみられることが多く、出生前の段階から身体が小さいことについて指摘を受けることが多いです。そのほかにも、知的障害、筋緊張の低下(力が入りにくく、だらんとしやすい)、けいれんなども多くの患者さんに見られる症状です。

また、消化器系の異常(腸回転異常など)、小頭症、目や耳の異常(見え方や聞こえの異常につながります)、口唇口蓋裂、泌尿器系の異常、心房中隔欠損症などの心疾患がみられることもあります。

さらに、哺乳障害のため、経過中に経管栄養を使用する必要が出てくるケースもあります。また、免疫機能の異常から感染症を繰り返すことも少なくありません。

検査・診断

4p欠失症候群は、精神発達遅滞とけいれん発作、特徴的な顔貌(がんぼう)を主要症状として疑われます。染色体の異常は、血液を用いた検査(FISH法やマイクロアレイ染色体検査など)で確認します。

また、4p欠失症候群は数多くの身体的な合併症を伴う病気であるため、合併症に応じた検査も適宜追加されます。

具体的には、けいれんであれば脳波検査、消化器系疾患であれば腹部エックス線撮影や消化管造影検査などです。また、心疾患であれば心エコーや心電図、胸部エックス線撮影などが検討されます。

治療

出現しうる症状に対応して対症療法的に治療を行ないます。たとえば、4p欠失症候群では食べることに問題が生じることも多いため、経管栄養や胃瘻(いろう)増設などを適宜考慮します。けいれんに対しては、抗けいれん薬が使用されます。

また、療育面からの治療介入も必要です。具体的には、嚥下(えんげ)訓練や言語療法、理学療法、作業療法などが行われます。

経過中に、感染症を繰り返すことも少なくありません。そのため、手洗いやワクチン接種の徹底など、感染症予防策を講じることも大切です。

また、まれではありますが家族性に遺伝する可能性もあるため、両親含めた遺伝カウンセリングがおこなわれる場合もあります。

4p欠失症候群は、さまざまな面からのサポートが必要となる病気です。そのため、あらゆる分野の専門家が一体となり、チームとしての医療体制を敷くことが大切です。