
韓国で流行していることが大きなニュースとなっているMERS(Middle East Respiratory Syndrome 中東呼吸器症候群)。耳慣れない病気ですし、とにかく「怖い」というイメージをお持ちの方も多いと思います。実際はどのような病気なのでしょうか。MERSの症状と治療、その後の経過について、国際医療福祉大学教授であり、元国立感染症研究所所長の倉田毅先生にお話をお聞きしました。
主な症状は発熱やせきなどの呼吸器症状です。そのため、風邪やインフルエンザなどと勘違いされがちです。しかし、下痢などの消化器症状を伴うことがあるため、ここに注意してください。下痢はインフルエンザでは基本的にないからです。
SARSのときも下痢の症状が20%近くありました。糞便中にはウイルスが多く含まれるとされており、感染防御においては下痢に着目することが重要です。
重症化リスクが高い人は、高齢者や基礎疾患(何らかの持病)がある人です。この場合には糖尿病やCOPDを持つ人、免疫不全の方です。
また、MERSは尿中にもウイルスが現れることが判明しつつあります。それゆえ、慢性腎臓病を持つ人に関しても注意が必要です。一方で、MERSに感染しても症状が出現しないこともあるため、一概に感染したら「必ずこの症状が現れる」とは言い切れません。
中東や流行地域(特に今は韓国)からの帰国後に上記のような症状が出て、「MERSのリスクが高いかもしれない」「自分がMERSかもしれない」と思ったらどうすれば良いのでしょうか?
まず、空港でこのような症状があることを必ず告げ、検疫所に相談しましょう。また、家に帰ったあとに自分がMERSかもしれないと思ったら、地域の保健所に電話してください。
MERSへの根本的な治療法はまだありません。対症療法(症状に応じた治療)が行われます。
症状の項でも述べたように、重症化リスクが少なく、若くて健康な人であれば治る可能性も高くなります。一方で、高齢者や基礎疾患を持っている人は治療後の予後(容体の経過)もよくありません。このことは、インフルエンザでも高齢者や乳児が亡くなることがあるように、病気になったときの重症化リスクが大きいか小さいかという一般論と特に変わりはありません。
SARSの致死率は、最初の頃はさらに高い数字が出ていましたが、最終的に9%程度でした。一方MERSの致死率は、韓国でいうと6月10日現在で感染者と死亡者の比率は9%くらいです。ただ、厚生労働省が発表しているように、局所的に言えば40%の致死率というデータも出ています。
MERSの致死率はこれからどうなるか何とも言えないところですが、SARSの経験に基づけば10%台まで下がってくる可能性もあります。
日本ではまだ流行していないMERSですが、個々が前述した予防法を徹底して体調管理に努めておくことは、国レベルの大流行を防ぐことにつながるでしょう。
参考サイト
厚生労働省:中東呼吸器症候群(MERS)に関するQ&A
記事1:MERSとは(1)―MERSの基礎知識
記事2:MERSとは(2)―MERSの感染経路と予防
記事3:MERSとは(3)―MERSの症状と治療、致死率は?
記事4:MERSとは(4)―SARSと韓国におけるMERS流行の経験から考えるべきこと
記事5:MERSのまとめ-感染症の専門家に聞く。
様々な学会と連携し、日々の診療・研究に役立つ医師向けウェビナーを定期配信しています。
情報アップデートの場としてぜひご視聴ください。
「MERS」に関連する病院の紹介記事
特定の医療機関について紹介する情報が掲載されています。
関連の医療相談が10件あります
断続的な強い吐き気が続いています
10年以上前から、うつ病と診断され、投薬治療を受けています。 また、機能性ディスペプシアの診断も受け、症状が酷い時は通院しています。 失業して、1年間就職活動を行い(その間はほぼ引き籠り)、2週間ほど前から新しい就職先で就業を始めました。 すると、以下のような症状が出始めました。 ・家から出て出歩くと、断続的な強い吐き気に襲われる。 ・胃がひっくり返る感じではなく、喉や舌の付け根に違和感が生じ、そこから爆発するようにオエッとなる。 (ただ、胃液が口まで上ってくることもある) ・思い切りオエッとえずかないと、吐き気が治まらない。オエッとなると、数分治まる。 ・朝昼よりも、夕方から夜、特に会社を出て帰宅中が一番症状が酷い。 ・渋い日本茶や、真水を飲むと、即座に吐き気がして、胃に到達する前に吐き出してしまいそうになる。薬を飲む際などに苦労する。 (味がついたジュース、麦茶などは平気) ・食事中に、吐き出してしまったりはしない。 ・自宅で安静にしている時は、吐き気は治まる。 うつ病でお世話になっているメンタルクリニックの先生に症状を伝えたところ、うつ病の薬の副作用で、喉が乾燥してオエッとなるのではないか、と言われました。 しかし、試しに飲み物をガブガブ飲みながら会社から帰宅してみたのですが、吐き気は治まりませんでした。 これは、何科に相談し、どんな治療を受けるのが良さそうでしょうか。 飲んでいる薬: 【毎食後・就寝前】 ノバミン錠5mg×1 【夕食後】 イフェクサーSRカプセル75mg×3 リボトリール錠0.5mg×1 ロスバスタチン錠5mg×1 【就寝前】 ロラメット錠1.0×2 デエビゴ錠2.5mg×2 ミルタザピン錠15mg×3 レルベア100エリプタ30吸入用×1
1ヶ月でいろいろ症状出現
先月初旬に意識消失する直前に部分的に見えにくくなり、(黒っぽいものが出現)意識回復時には家族が救急車を呼んでいました。 その後救急搬送されて、(搬送時血圧170)頭部MRIとCT撮影しましたが、異常なしでした。2日後に退院。 その後、頭痛が毎日続いてはいたものの普段から頭痛持ちなので特にしていませんでしたが、意識消失した日から2週間後の寝起きに回転性のめまいがあり、嘔吐もありました。 血圧のこともありまず内科受診して降圧薬処方してもらい、様子を見ていましたが、さらに1週間後にまた寝起きにめまいがあり、耳鼻咽喉科受診したら良性発作性頭位めまい症と診断されました。 意識消失の件と関連があるのでしょうか?
お腹の調子が悪いです
今年の1日頃からまず胃が痛くなって、 熱も一日で下がったのですが出て、 現在は胃の方は大丈夫なんですけど 気にすればするほどお腹の調子が良くない気がします、、、 今もちょっとお腹の下あたりが痛いような痛くないような違和感がある感じで、多分今日は食べすぎでそうなってるのかもしれないですけど胃の問題と関係あるのでしょうか??
83歳の母に胃や大腸内視鏡の検査は必要なのか
はじめまして。 2017年に、 整形外科に通っても調子がよくならず、内科で血液検査をしたところにCRPが22.1 そこで、リウマチ多発性筋痛症ではないかという事で、 ステロイドなどの投与をしながら治療を続け現在にいたります。 ステロイドの量も減ってきたところ、 2021年11月に膝の痛みがひどくなり、整形外科(別の病院)を受診したところ リウマチ多発性筋痛症から関節リウマチへ移行しているのでは という診断を受けました。 その後特に薬も変更せずに現在にいたります、 母の体重はその時から10キロほど減りましたが、体調の不調をうったえることはなくなりました。 ただ、今年にはいって かかりつけ医から 痛みを訴えない母に反して、CRPの値が6あり 他の病気がかくれているかもしれないから検査したほうがいいと 紹介状をもらい検査しました。 そして、まず血液検査を9月9日にしたところ、CRPは 1.9。 総合病院の医師からは、紹介状に かかりつけ医がステロイドのほかに、リウマチの薬を今後使うにあたって、 悪性腫瘍などがある場合、その薬は悪化させる可能性があるので、 全身の検査をしてほしいといった内容が書いてあると聞きました。 そのため、 近々、造影剤を使ったCT検査、そして胃の内視鏡を行います。 その時、大腸内視鏡も行うといわれましたが、 10キロもやせ、47キロの母に 大腸内視鏡検査が耐えられるのか不安で断りました。 現在は、膝や腰など痛みはあるものの 以前のような激痛もなく、食欲もあり過ごしています。 83歳の高齢の母に 胃の内視鏡などの検査が必要なのか? 現在調子がよいだけに、検査によって体調が悪くなってしまう事が心配です。 アドバイスがありましたら、よろしくお願いします。
※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。
「MERS」を登録すると、新着の情報をお知らせします