どんなに困難な手術でも、決して諦めずに治療の可能性を探りたい

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どんなに困難な手術でも、決して諦めずに治療の可能性を探りたい

行き場のない患者さんを一人でも減らすために、高難易度の手術に挑戦し続ける大島晋先生のストーリー

川崎幸病院川崎大動脈センター 大動脈外科部長/副センター長
大島 晋 先生

大島晋先生が手術にかける思い

日々鍛錬し、綿密に準備したうえで、100%の力を出し切る

当然のことながら、手術のときには100%の力を出し切ります。逆に言えば、100%の力を出せないような状態で、手術に臨んではいけません。患者さんは手術中、私たち医療者に命を預けてくれています。ですから私たちも同じように、命がけで患者さんと向き合うくらいの心意気でいる必要があると思っています。

「この手術に関しては自分がいちばん上手いと思えるくらい、日々鍛錬し、綿密に準備したうえで、全力で手術にあたる」、これが私の信念です。

不思議なことに、当直明けであったり、どんなに疲れたりしていても、「この手術を必要としている人がいる」と思うと、自然とやる気が出てくるのです。手術を無事に終えて、患者さんの笑顔を見れば、「もっとがんばろう」という気持ちになります。

大動脈疾患の治療において、どんなに困難な手術でも諦めずに治療の可能性を探る

当院の「川崎大動脈センター」は、大動脈瘤や大動脈解離などの大動脈疾患に対する治療を行う専門施設です。合併症を持つ方や高齢の方など、難易度の高い症例の患者さんに対する手術・治療にも対応しており、全国から患者さんがいらっしゃいます。他院で「治療は困難」と言われたケースであっても、諦めずに手術治療の可能性を探ります。

「もしも私たちが諦めたら、患者さんの行き場がなくなるかもしれない」という覚悟を持って、日々の診療にあたっています。このような大動脈疾患の治療に対する姿勢は、院長の山本晋先生が当センターの方針として示され、私たちが使命と捉えているものです。

医師として大切にしているポリシー

手術前に、手術の内容を包み隠さず患者さんやご家族に説明する

手術を行う日には、できる限り患者さんとご家族に直接会ってお話をします。

私のポリシーは「手術の内容を包み隠さずに説明すること」です。不安を一時的に払拭するためだけにあえて説明を省く、ということはしません。手術にかかる時間や手術に伴うリスクを含めて、手術の内容をしっかりとご説明し、そのうえで、全力を尽くして手術に臨むことをお伝えします。

周りの人から学ばせていただく姿勢を忘れない

医師という職業は、患者さんやご家族から頼りにされたり、「先生」と呼ばれて助言を求められたりする場面が多々あり、意識して過ごさなければ、自分が偉い・正しいと思い込んでしまいがちです。もちろん、医学・医療の知識に関しては、一般の方よりも詳しい自信があります。しかし、それ以外のことは、むしろ患者さんの方がよく知っているかもしれません。

医師と患者さんとの関係を突き詰めていくと、結局のところ、「人と人」だと思います。ですから、私は、患者さんを含めて周囲の方々に学ばせていただく姿勢を忘れないように心がけています。患者さんのお仕事や趣味・特技について話を聞かせていただいたり、年上の方からは豊富な人生経験を語っていただいたりしたいと思うのです。このように、自分と関わる方々に対してリスペクトし、素直に語り合うことで、たくさんのことを学び、自分の世界を広げていきたいと考えています。

なぜ医師を志したのか?

「気づいたら医師を志していた」という感覚です。

母親は看護師で、小学校に上がる頃までは、母の職場である病院によく出入りしていました。そのような環境で育ったことで、自然と医療関係の仕事を志すようになりました。

小学校に上がってからは、「ヘレン・ケラー」や「野口英世」など、医学にかかわる伝記をたくさん読みました。自分の意志で偉人たちの伝記物を読んでいたと記憶していたのですが、あとになって両親から聞いた話では、「実は、晋が自然と医師を目指すように、医学系の伝記を選んだ」と言われて少し拍子抜けしました。けれども、この仕事は私にとって天職だと確信しているので、このように私を育ててくれた両親に心から感謝しています。

心臓血管外科の道に進んだ理由

「医師になるなら心臓の手術をしたい」と思っていましたので、希望する診療科に迷いはありませんでした。その背景には、自分の手で手術を行い、人の命を助けたいと思っていたことと、日本で初めてバチスタ手術*を執刀した須磨久善(すま ひさよし)先生に憧れていたことがあります。「心臓の手術をしたい」という意志は、実際に心臓血管外科医になるまで、揺らぐことはありませんでした。

拡張型心筋症の患者に対して、拡大した左室の一部を切断し、左室の容積を縮小することにより、心機能の改善をはかる手術

現在の思い、これからの展望

医学生の頃、川崎幸病院の院長である山本晋先生に出会いました。山本先生は、「倒れるなら前向きに倒れろ」という言葉を体現するかのように、常に全力で仕事に向き合う方です。そのような仕事に対する価値観は、偶然にも、尊敬する父から教えられていた価値観と同じでした。非常に感銘を受け、「山本先生のもとで働きたい!」と思ったのです。

心臓血管外科医として、高度な技術と知識を要する「胸部・腹部大動脈瘤の手術」を、40歳までに執刀できるようになりたいと考えていました。若手の頃から数多くの手術を担当させていただいたおかげで、手技・知識を磨くことができ、31歳のときにはその目標を達成しました。自分が想定していたよりもかなり早いスピードで成長できたことは、川崎幸病院の先輩医師の方々のご指導と、周囲の方々のサポートのおかげだと、心から感謝しています。

現在は、手術に関して後進の指導にあたっています。当院では、手術のクオリティを一定の水準以上に保つために、手術にかかわる基本的な手法を統一するよう努めています。たとえば、術前プランや手術ストラテジーから、手術の方法、手術部位の視野(術野)の展開、針の角度、ドレーピング(患者さんの布で体を覆う過程)、手袋・手術着の着用方法)までです。

自分が担当できる手術件数は物理的に限られていますが、これらの取り組みによって、病院全体で手術の品質保証に努め、これからも、大動脈疾患の治療において行き場のない患者さんを一人でも減らすために尽力したいと強く思っています。

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