【疾患啓発(スポンサード)】

クリップする
URLを入力して
記事をクリップしましょう
指定された URL のページが見つかりません
S664x430 5c83bf6a 5984 42b5 bcd7 b4d3354ac5d1
大動脈瘤とは?解離や破裂をしない限り無症状であることがほとんど
大動脈瘤とは、体の中でもっとも大きな血管である大動脈が瘤(こぶ)状に拡大する病気です。無症状で進行することが多く、解離や破裂によって初めてみつかる患者さんは多くいらっしゃいます。今回は、川崎幸病...
クリップに失敗しました
クリップ とは
記事にコメントをつけて保存することが出来ます。検索機能であとで検索しやすいキーワードをつけたり、読み返し用のメモを入れておくと便利です。
また、記事を読んで疑問に思ったこと、わからないことなどをコメントに書き、「医療チームのコメントを許可する」を選んで頂いた場合は、医師や看護師が解説をメールにてお送りする場合があります。
※ クリップ内容は外部に公開されません

大動脈瘤とは?解離や破裂をしない限り無症状であることがほとんど

公開日 2019 年 02 月 01 日 | 更新日 2019 年 02 月 01 日

大動脈瘤とは?解離や破裂をしない限り無症状であることがほとんど
大島 晋 先生

川崎幸病院 川崎大動脈センター・大動脈外科部長 兼 大動脈センター・センター長

大島 晋 先生

目次

大動脈瘤とは、体の中でもっとも大きな血管である大動脈が(こぶ)状に拡大する病気です。無症状で進行することが多く、解離や破裂によって初めてみつかる患者さんは多くいらっしゃいます。

今回は、川崎幸病院 川崎大動脈センター・大動脈外科部長兼大動脈センター センター長である大島晋(おおしますすむ)先生に大動脈瘤についてお話を伺います。

大動脈瘤とは?

大動脈瘤とは、大動脈の一部が(こぶ)状に膨らむ病気です。主に腹部にできる「腹部大動脈瘤」、胸部にできる「胸部大動脈瘤」、胸部から腹部にまたがってできる「胸腹部大動脈瘤」があります。

主な原因は動脈硬化

大動脈瘤は、血管の老化現象である動脈硬化が原因となり発症するケースが多いといわれています。そのため、年齢を重ねれば誰でも大動脈瘤を発症する可能性があるといえます。その中でも特に、動脈硬化を促進する原因となる「喫煙、高血圧、糖尿病、高コレステロール血症」などがある方は大動脈瘤発症の危険性が高くなります。

70歳代が発症のピーク

大動脈瘤は男性で70歳代、女性で80歳代が発症のピーク年齢ですが、50歳代から徐々に増え始めます。

大動脈瘤は急に大きくなるわけではなく、時間をかけて少しずつ大きくなっていきます。そのため、中年期から動脈硬化には注意が必要です。

大動脈瘤の危険性とは?

突然に解離・破裂する危険性がある

大動脈瘤は、あるとき突然に解離(裂けること)・破裂する危険性があります。大動脈瘤が解離・破裂すると、背中にそれまで感じたことのないような痛みが走るといわれています。

体の中では、大出血によって循環不全や臓器の虚血(血流障害)が起こります。心臓の虚血は心筋梗塞、脳の虚血は脳梗塞、腎臓の虚血は腎不全、腸管の虚血は腸管壊死など致死的な合併症を引き起こし、命を落とす危険性が極めて高くなります。

大動脈瘤解離・破裂が起きた場合には、緊急手術以外の治療手段はありません。

大動脈瘤解離・破裂が起こるまで無症状のことがほとんど

大動脈瘤は解離や破裂が起きない限り、無症状で経過することがほとんどです。これが大動脈瘤の恐ろしいところといえるでしょう。

しかし一部の患者さんで、大動脈瘤破裂や解離が起こる前に、以下のような症状が出ることがあります。

  • 嗄声(させい)(声がかすれること)
  • 嚥下障害(食べたり飲んだりする機能が正常にはたらかなくなる状態)
  • お腹の拍動
  • 胸背部痛

など

大動脈瘤が診断されるのはどのような場合?

ほかの病気の検査で偶然発見されることがほとんど

先述したように、大動脈瘤があるだけでは症状が現れることはほとんどありません。そのため、ほかの病気の精査のために、腹部超音波検査(腹部エコー検査)や単純CT検査を行ったときに偶然発見されるケースが多く、逆にいえば、ほかの病気に対する検査をしなければ発見されることはほとんどありません。

また、健康診断などで行われている胸部レントゲン検査では、大動脈瘤があっても発見されなかったり、見逃されてしまったりすることも多くあります。

大動脈瘤の治療法は?

手術のイメージ

「人工血管置換術」と「ステントグラフト内挿術」がある

大動脈瘤と診断され、解離・破裂の危険性が高いと考えられる場合には手術治療を行います。手術は大きく以下の2つの方法があります。

  • 人工血管置換術…お腹や胸を切開して動脈瘤を切除したあと、その部分を人工血管に置き換える治療法
  • ステントグラフト内挿術…カテーテル(医療用の細い管)を使ってステントグラフトを血管内に留置することで瘤の中に血液が流入することを防ぎ、破裂を予防する治療法

(※人工血管置換術に関する詳細は記事2『大動脈瘤に対する人工血管置換術とは?手術の流れや起こりうる合併症について』を、ステントグラフト内挿術に関する詳細は記事4『大動脈瘤に対する「ステントグラフト内挿術」とは−メリット・デメリットは?』をご覧ください。)

年齢による手術の適応制限はある?

一般的に、80歳以上の高齢者や認知症の方、併存疾患(糖尿病や高血圧症など)を抱えた方は「ハイリスク症例」と呼ばれます。これは、手術による合併症が起きるリスクが高かったり、術後管理が難しかったりするためです。そのため病院によっては、手術ができないと断られてしまう患者さんもいらっしゃいます。

しかし、当センターではハイリスク症例といわれているような患者さんも積極的に受け入れており、中には90歳以上の方でも、手術を受けて今も元気に生活されています。

当センターでは、年齢や併存疾患だけで手術の適応を決めることはありません。たとえ90歳であっても、ご自身の身の回りのことがきちんとできて元気に日常生活を送っているような方であれば手術は可能です。逆にいえば、年齢が若くても手術に耐えられないような患者さんもいらっしゃいます。

患者さんと実際にお会いして身体機能をしっかりと把握することで、できるだけ多くの方に、手術を提供するようにしています。

大動脈瘤の治療を受ける病院はどう選ぶ?

大島先生

患者さんはご自身が手術を受ける病院を選ぶ権利を持っている一方、よりよい治療が受けられる病院を選ぶことは容易ではありません。

テレビや新聞・雑誌などのメディア、あるいはインターネット上の医療サイトや個人サイトでは不正確な情報も多く、それらの情報だけで適切な病院を選ぶことは困難です。

そこで病院を選ぶ際には、以下の3点を参考にしていただきたいと思います。

  1. 治療実績の多い病院を選ぶ
  2. 実際に手術経験が豊富な医師が外来担当している病院を選ぶ
  3. 診断・治療方針を明確にしたうえで、十分な説明を行う病院を選ぶ

以上を参考にして、手術を受ける病院を十分に検討し、よりよい治療を受けていただきたいと思います。

 

2009年に産業医科大学を卒業。沖縄・中頭病院を経て、2011年より川崎大動脈センターで心臓血管外科 大動脈疾患手術を担当。2018年から川崎幸病院 大動脈外科部長兼川崎大動脈センター・センター長に就任。

関連の医療相談が7件あります

関連記事