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きょうぶだいどうみゃくりゅう

胸部大動脈瘤

最終更新日
2020年04月15日
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2020/04/15
更新しました。
2020/04/14
掲載しました。

概要

胸部大動脈瘤とは、胸部大動脈が部分的に膨らむ病気のことです。主な原因は動脈硬化によるもので症状はほとんどないとされていますが、膨らんだ部分は血管の強度が弱くなるため、一時的に血圧が上がったときなどに破裂することがあります。

大動脈は心臓から送り出された血液が通る血管であり、直径は20~30㎜程度と人体の中でもっとも太い血管でもあります。心臓から出発した大動脈は上方に向かい、左の鎖骨の下で弧を描くようにカーブして背中側へ回り下方へ向けて走行します。“胸部大動脈”とは、このような走行の大動脈の中で、心臓を出発してから横隔膜に至るまでの部位のことです。それぞれ心臓を出てから上方に向かう部位を“上行大動脈”、弧を描く部位を“弓部大動脈”、下方へ向かう部位を“下行大動脈”と呼びます。胸部大動脈瘤はどの部位にもできる可能性がありますが、いずれも破裂すると大出血を引き起こし、死に至る危険が高いため注意すべき病気のひとつです。

原因

胸部大動脈瘤の原因には次のようなものが挙げられます。

動脈硬化

胸部大動脈瘤の主な原因は、動脈硬化によって血管の壁が硬く脆くなることです。

動脈硬化は高血圧糖尿病脂質異常症などによって血管の内側がダメージを受け、そこにコレステロールや脂肪性物質が沈着することによって引き起こされます。いわゆる“生活習慣病”とされる病気を長く放置することによって発症することが多く、特に高血圧や喫煙との関係が強いと考えられています。

結合組織の異常

胸部大動脈瘤はエーラス・ダンロス症候群マルファン症候群などのように、生まれつき血管を形成する結合組織が脆弱(ぜいじゃく)になっている病気によって引き起こされることがあります。

このような原因によって引き起こされる胸部大動脈瘤は10~20歳代など若い世代にも発症する危険があり、破裂や解離するリスクも高いため注意が必要です。

外傷や感染

胸部大動脈瘤の中には、交通事故などの胸部への強い外傷が原因となるケースや、梅毒や細菌をはじめとした感染症などによる大動脈の炎症が原因となって引き起こされるものがあります。発生頻度は全胸部大動脈瘤の1%程度と決して高くありませんが、動脈硬化によって引き起こされる一般的な胸部大動脈瘤よりも破裂する危険が高いため早急な治療が必要とされています。

症状

胸部大動脈瘤は血管の膨らみ方によって次の三つのタイプに分類され、それぞれ症状の特徴が異なります。

真性大動脈瘤

大動脈の壁は内側から内膜・中膜・外膜の3層で形成されていますが、真性大動脈瘤はこの三つの層全てが外側に向かって膨らむのが特徴です。

このタイプの大動脈瘤は自覚症状がほとんどなく、健康診断などで偶然発見されるケースが多いとされています。しかし、直径が50㎜を超えると破裂するリスクが高くなるとされているため注意が必要です。

また、血管が膨らむ部位によっては胸部を走行する反回神経が刺激され、声のかすれ、飲み込みの悪さなどの症状が現れることがあります。

解離性大動脈

大動脈の壁を構成する内膜が裂けて、外膜と内膜の隙間(偽腔)に血液が流れ込んで内膜と外膜が裂けていくタイプのものです。

発症すると胸や背中に痛みを感じることが多いですが、慢性期では自覚症状がなく動脈瘤になるケースもあり、経過観察が必要です。

仮性大動脈瘤

大動脈を構成する内膜・中膜・外膜の3層とも裂けているものの、流れ出した血液が周辺の組織にカバーされて瘤を形成するタイプのものです。

すでに大動脈が裂けているため非常に危険な状態であり、多くは外傷や感染が原因と考えられています。このタイプの大動脈瘤は血管が破裂した際に胸や背中に強い痛みが引き起こされるのが特徴です。

検査・診断

大動脈瘤が疑われたり、健康診断で病気を指摘されたりしたときなどは次のような検査が行われます。

造影CT検査

胸部大動脈瘤の確定診断のために必要な検査です。血管を描出しやすくなる造影剤を投与しながらCT写真を撮影することで、大動脈瘤の位置や大きさ、解離(内膜と外膜の裂け)の有無を確認することができます。

ただし、腎機能が悪い場合や造影剤に対してアレルギーがある場合は造影剤を使用せずにCT検査を行うのが一般的です。

治療

胸部大動脈瘤は自覚症状が少なく、健康診断で受けたCT検査などで偶然発見されるケースがあります。このようなケースでは大動脈瘤の大きさや位置、タイプ、発症原因によって治療方針が異なるため専門医の受診が必要です。大きさや形態によって破裂の危険が少ないと考えられると定期的な検査によって経過観察を行います。

一方、大動脈瘤の大きさが50~60㎜を超えるケース、生まれつきの病気が原因のケース、解離性や仮性大動脈瘤と嚢状瘤など破裂する危険が高いと考えられる場合には次のような治療が積極的に行われます。

人工血管置換術

大動脈瘤が形成された部位の血管をポリエステルなどでできた人工血管に置き換える治療です。胸部大動脈瘤を根本的に治す方法ですが、手術は体に大きな負担がかかるため、全身の状態が悪い場合は手術を行うことができないこともあります。

ステントグラフト内挿術

全身の状態などから人工血管置換術を行うことができない場合に実施されることが多い治療法です。開胸操作は必要なく、足の付け根などの太い血管からカテーテルを挿入し、大動脈瘤の部位まで至らせた後に、その部位に“ステントグラフト”と呼ばれる自己拡張型の金属が入った人工血管を瘤の内側に留置します。低侵襲ですが、血管の分岐や屈曲によってはできない場合もあります。大動脈瘤を根本的に切除する治療法ではありませんが、破裂を予防する効果があるとされています。

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