原因
胸部大動脈瘤の原因には次のようなものが挙げられます。
動脈硬化
胸部大動脈瘤の主な原因は、動脈硬化によって血管の壁が硬く脆くなることです。
動脈硬化は高血圧や糖尿病、脂質異常症などによって血管の内側がダメージを受け、そこにコレステロールや脂肪性物質が沈着することによって引き起こされます。いわゆる“生活習慣病”とされる病気を長く放置することによって発症することが多く、特に高血圧や喫煙との関係が強いと考えられています。
結合組織の異常
胸部大動脈瘤はエーラス・ダンロス症候群やマルファン症候群などのように、生まれつき血管を形成する結合組織が脆弱になっている病気によって引き起こされることがあります。
このような原因によって引き起こされる胸部大動脈瘤は10~20歳代など若い世代にも発症する危険があり、破裂や解離するリスクも高いため注意が必要です。
外傷や感染
胸部大動脈瘤の中には、交通事故などの胸部への強い外傷が原因となるケースや、梅毒や細菌をはじめとした感染症などによる大動脈の炎症が原因となって引き起こされるものがあります。発生頻度は全胸部大動脈瘤の1%程度と決して高くありませんが、動脈硬化によって引き起こされる一般的な胸部大動脈瘤よりも破裂する危険が高いため早急な治療が必要とされています。
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胸部大動脈瘤について
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