よこすか浦賀病院は浦賀湾と緑に囲まれた自然豊かな場所に立地しています。浦賀駅や久里浜駅方面からの無料送迎バスも運行するなど、多くの地域のみなさまが快適に利用していただけるような工夫もされています。「地域のかかりつけ病院でありたい」と語る、よこすか浦賀病院の院長である阿部裕(ゆたか)先生に院長としての想いや今後の展望を伺いました。
よこすか浦賀病院は1911年(大正元年)8月1日に浦賀工場診療所としてスタートしました。浦賀はかつて江戸幕府が「大船建造の禁」(1853年)を解いて造船所が設置された地です。造船には危険が伴い、多くの怪我人が出たことから当院が設置されました。
以来、この浦賀地域は造船の街として繁栄を遂げてきましたが、これは造船所で働く方々と、それを支えてきた診療所があったからであるといわれています。
当院は、それから約90年間浦賀駅周辺で診療を行っていましたが、2003年(平成15年)に浦賀駅から少し離れた2017年現在の西浦賀に新築移転しました。
そして開設105年目にあたる2015年(平成27年)8月1日に戸田中央医科グループ医療法人横浜柏堤会に事業継承され、医療法人横浜柏堤会よこすか浦賀病院として再出発いたしました。
開院時に造船所の診療所として出発した当院は、長年企業立病院として企業の従業員およびそのご家族の方々を対象に診療を行ってきました。しかし、2015年に医療法人として生まれ変わり、2017年現在は地域住民の方々のどなたでもかかることができる病院となっています。
医療法人となってから2017年時点で約2年が経過していますが、やはり未だに企業の病院である、というイメージをお持ちの地域の方々はとても多いのではないかと感じています。
私は院長としてこのイメージを払拭し、地域の方々に気軽にお越しいただける病院であるということを皆さまに周知していく必要があると考えています。
当院は2017年時点で、病床数99床(一般病棟60床、回復期リハビリテーション病棟39床)、9診療科(内科(消化器、循環器、呼吸器)、小児科、外科、整形外科、眼科、泌尿器科、皮膚科、放射線科、リハビリテーション科)で運営をしています。
規模は小さな病院ながらも2017年時点で、8名の常勤医(内科2名、外科、小児科、整形外科、眼科、麻酔科、放射線科各1名)が在籍していて、外科手術も積極的に行っています。
また、地域の病院として横須賀市二次救急指定病院にも認定されており、夜間休日問わず診療できる体制を整えています。
当院は、浦賀湾に面した場所に位置していて、天気の良い日には屋外や屋上でのリハビリテーションを積極的に行っています。病院の前にはリハビリができるような広場もあり、美しい海を見ながらのリハビリは患者さんのリフレッシュにもつながるかと思います。
また、地域の方々を対象とした地域医療公開講座も定期的に行っていて、病院前の広場で当院のスタッフが怪我や病気の予防となるような運動教室を開催しています。浦賀地域には高齢の方々がとても多く、毎回多くの方に参加していただいていてお褒めの言葉も多数いただいています。
当院は、2017年7月1日に39床の回復期リハビリテーション病棟を開設しました。回復期リハビリテーション病棟とは、急性期の治療とリハビリが完了した患者さんが自宅復帰へ向けてより実践的な日常生活動作能力などの向上を目指すための病棟です。
浦賀地域は2017年時点で、人口のおよそ30%が65歳以上の高齢者であるため、そのような方々が退院後も在宅で自立した生活を行うための支援を行うことは必要不可欠であると考えます。
2017年現在は回復期リハビリテーション病棟を開設して数ヶ月と間もないため、患者さんの数はまだまだ少ないですが、理学療法士などのリハビリスタッフが着実に増えてきていて、病院全体も活気に溢れていると感じています。
今後、回復期リハビリテーション病棟の充実を図り多くの患者さんに利用していただくためにも、さらなるリハビリスタッフの増員に向けた取り組みを行っていきます。
当院には取り立てて強みや特徴といえることはないのですが、裏を返すと「強みがないこと」自体がいまの当院の大きな強みになるのではないかと考えます。
医療法人化しておよそ2年が過ぎましたが、現在も当院は病院構築の段階にあります。このようなまっさらな状態から、これから地域の方々が真に求める病院を作りあげることができる点は、大きな魅力ではないでしょうか。
私はよこすか浦賀病院を、地域の皆様に「かかりつけ病院」として利用していただきたいと考えています。当院は、緊急の患者さんも24時間365日で対応していますし、来院していただいた患者さんはお断りせずに診療したいと考えています。
浦賀にお住まいの方々が、浦賀で医療を完結できるよう、当院で対応できることはどんなことでも対応させていただきます。
この地域にお住いの方々に「何かあったらまずはよこすか浦賀病院」といっていただけるような病院を目指しています。
医療法人 横浜未来ヘルスケアシステム よこすか浦賀病院 院長、神奈川県サッカー協会 医科学部会 委員
医療法人 横浜未来ヘルスケアシステム よこすか浦賀病院 院長、神奈川県サッカー協会 医科学部会 委員
日本外科学会 外科専門医日本消化器外科学会 消化器外科専門医・消化器外科指導医・消化器がん外科治療認定医日本がん治療認定医機構 がん治療認定医日本医師会 健康スポーツ医
1993年福島県立医科大学卒業後、東京女子医科大学第二外科へ入局し消化器外科医師としてキャリアをはじめ聖隷浜松病院などで研鑽を重ねる。平成15年に退局し、医療法人横浜柏堤会 戸塚共立第2病院へ就職し、地域に密着した医療の提供を目標に、地域の皆様へ診療を行ってきた。2016年4月に同法人よこすか浦賀病院院長として着任し、新たに浦賀での地域医療の展開を始める。
また趣味のサッカーが高じて、日本医師会認定健康スポーツ医、日本体育協会公認スポーツドクター、神奈川県サッカー協会医科学部会委員、神奈川県ラグビーフットボール協会医務委員などの資格も取得し国体などへの帯同医師を務めることもある。
阿部 裕 先生の所属医療機関
「受診について相談する」とは?
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。