院長インタビュー

地域完結型医療を目指す―牧ヘルスケアグループの挑戦

地域完結型医療を目指す―牧ヘルスケアグループの挑戦
牧 恭彦 先生

社会医療法人ONE FLAG おおさかグローバル整形外科病院 理事長

牧 恭彦 先生

この記事の最終更新は2018年07月02日です。

牧ヘルスケアグループ/社会医療法人ONE FLAGは、大阪府大阪市旭区を中心に医療施設や介護施設などを運営しており、地域住民が住み慣れた街で地域完結型の保健・医療・福祉を受けられるシステムの構築を目指しています。

地域医療の充実に貢献できるよう努める同グループの取り組みと、新たな挑戦となる2018年3月に開院した「おおさかグローバル整形外科病院」について、牧ヘルスケアグループ/社会医療法人ONE FLAG 理事長の牧 恭彦(まき やすひこ)先生にお話を伺いました。

おおさかグローバル整形外科病院外観(牧ヘルスケアグループよりご提供)

牧ヘルスケアグループは1960年2月に初代院長である牧安孝が守口市に夜間診療を開始したことから始まりました。その後、1969年2月に大阪府大阪市旭区に「牧病院」を開院しました。2004年6月には大阪市旭区新森に移転し、現在に至ります。当グループは、「Medical for Happiness」の理念のもと、地域のみなさまの暮らしを支えるために、さまざまな関連施設を設立・運営しています。

おおさかグローバル整形外科病院 総合待合(牧ヘルスケアグループよりご提供)

 

2018年4月現在で、医療機関を3か所、老人保健施設を2施設、グループホームや訪問看護ステーション等の介護保険事業所を12か所、地域包括支援センターを2か所運営しています。また、当グループの医療機関だけでなく、地域の医療機関や介護事業所との連携を密接にしています。地域完結型の保健・医療・福祉複合体として、予防から急性期、回復期、維持期、在宅ケアの提供に努めることで、地域のみなさまが、住み慣れた街で医療を完結できるような街づくりに貢献できることを目指しています。

牧ヘルスケアグループの医療施設

・牧病院                   75床

・おおさかグローバル整形外科病院(2018年3月開院)     80床

・牧リハビリテーション病院         100床

牧ヘルスケアグループの介護施設

・牧老人保健施設まきろうけん      定員:70名

・おとしよりすこやかセンター北部館   定員:100名

・まきグループホーム          定員:27名

・まきグループホームロイヤル      定員:18名

牧ヘルスケアグループの在宅サービス

・まきデイサービスセンター        定員:45名

・牧病院デイケアセンター         定員:40名

・牧リハビリテーション病院デイケア門真  定員:40名

・まきろうけんデイケア                    定員:50名

・おとしよりすこやかセンター北部館 デイケア 定員:45名

・牧病院訪問リハビリテーション

・牧リハビリテーション病院 訪問リハビリテーション門真

・牧訪問看護ステーション(清水・守口・高殿出張所・関目出張所)

・牧ヘルパーステーション

・居宅介護支援事業所(清水・守口・北部館・関目)

・牧ふくし用具

・旭区東部地域包括支援センター

・守口第5地域包括支援センター

(2018年6月現在)

外来スタッフ(牧ヘルスケアグループよりご提供)

牧病院は地域の急性期疾患の対応につとめる中で、地域包括ケアシステムの重要性が注目される前から地域の医療機関や福祉施設と連携を取り、ネットワークの形成を図ってきました。入院されている患者さんのうち、地域の病院や診療所からご紹介いただいた方が50%以上の比率となっています。先代理事長である牧安孝が、近隣の医療機関とのつながりを大切にしており、信頼関係が築けているためと考えています。

リハビリテーション風景(牧ヘルスケアグループよりご提供)

急性期リハビリテーションは予後改善において非常に重要です。牧病院、おおさかグローバル整形外科病院では入院している患者さんが早期離床してリハビリを行うことで、次の回復期リハビリテーションへと円滑につなげています。グループ内の牧リハビリテーション病院は回復期リハビリテーション病院です。医師や看護師以外に、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士、栄養士、薬剤師などが、患者さんの社会復帰を目指してチームで協働しています。入院リハビリテーションから訪問リハビリテーションへ、さらにはデイケア、デイサービスへとつなげていけるようにグループ全体でリハビリテーションに注力しています。

リハビリテーション風景(牧ヘルスケアグループよりご提供)

牧病院、おおさかグローバル整形外科病院ではMRIやMDCT(マルチスライスCT)など、一通りの画像診断機器をそろえています。クリニックや診療所では必ずしもすべての設備をそろえることが容易ではありません。そのため、地域の先生方にも画像診断機器を気軽に使っていただく体制を整えています。検査結果はCD-ROMにてお渡しし、後日読影結果を郵送またはFAXにてお送りしております。

MRI室(牧ヘルスケアグループよりご提供)

今までお話してきたように当グループでは地域の医療機関や介護施設との連携を取ることを大切にしています。その中で、今後はサービス付き高齢者向け住宅などの高齢者施設と連携を強化していくことを考えています。ひとつのアイデアとしては、当院の医師を施設に派遣し、入所されている患者さんのことを事前に知っておくことで、救急で当院に搬送された場合や入院することになった際によりスピーディーに適切な治療を行えるのではないかと考えています。

おおさかグローバル整形外科病院外観(牧ヘルスケアグループよりご提供)

これまで牧病院では整形外科や消化器疾患を中心とした急性期医療を提供してきました。そのような歴史があるなか、2018年3月にはおおさかグローバル整形外科病院を開院しました。おおさかグローバル整形外科病院では、牧病院が行っていた整形外科の救急体制を継続しつつ、これまで以上に専門性の高い診療、検査、手術ができる関西でもトップレベルの整形外科専門病院を目指していきます。

手術場面(牧ヘルスケアグループよりご提供)
手術場面(牧ヘルスケアグループよりご提供)

そのために、人工関節や脊椎などの分野をはじめとした低侵襲手術や、関節鏡を用いた手術、一般外傷、手の外科等、幅広く対応するために全国的にも稀有な最新の手術機器を取り揃えています。院内連携を円滑に進めるための電子カルテも導入しています。80床ながら手術室は5室設置しており、年間3000件の手術も可能な環境を整えています。

OP室(牧ヘルスケアグループよりご提供)
明るく清潔な病室(牧ヘルスケアグループよりご提供)

おおさかグローバル整形外科病院も、牧ヘルスケアグループのほかの医療機関と同様に地域の医療機関や介護施設との連携を密接にしたいと考えています。入院や手術を引き受ける一方で、退院後は地域の医療機関や介護施設に紹介できるような、地域完結型の医療体制を作りたいと考えています。

また、整形外科における24時間体制の救急患者さんの受け入れを実施しています。整形外科専門の急性期病院として、地域の整形外科救急医療に貢献できる体制の充実を図ってまいります。

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  • 社会医療法人ONE FLAG おおさかグローバル整形外科病院 理事長

    牧 恭彦 先生

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