院長インタビュー

地域の高度医療と急性期医療を担う京都桂病院

地域の高度医療と急性期医療を担う京都桂病院
若園 吉裕 先生

社会福祉法人京都社会事業財団京都桂病院 院長

若園 吉裕 先生

この記事の最終更新は2018年06月25日です。

京都市西京区にある京都桂病院は、1937年に結核療養所として開設された松尾病院を始まりとする病院です。1948年に同じく結核療養所であった京都厚生園と合併、1964年には総合病院となり現在の名称に変更しました。現在は病床数585床という規模で、急性期医療を中心とした医療を提供しています。

京都桂病院では、現在どのような取り組みを行っているのでしょうか。院長である若園 𠮷裕先生にお話を伺いました。

京都桂病院ご提供

京都桂病院は、社会福祉法人 京都社会事業財団に属する総合病院です。同法人内には高齢者や障害者の総合福祉施設や社会的弱者の子どもたちのための施設などもあり、地域のさまざまなニーズに対応しています。

当院の位置する京都市西京区は、市内でも比較的人口の多い地域です。幅広い疾患・症状に対応できるよう、センターを含む29診療科を備え、高度な医療を提供しています。

当院は総合病院であるため、地域のなかでは、すべての分野でトップを目指す姿勢で診療を行っています。

もともと結核療養所から始まった病院のため、特に伝統として呼吸器分野に強みを持っています。呼吸器センターを開設し、外科と内科が協力できる体制で肺がんや慢性呼吸器疾患など幅広く診療を行っています。

そのほか、消化器センター(外科・消化器内科)と心臓血管センターを備えています。それらは大きな規模となっており2017年には脳卒中センター(脳神経内科・脳神経外科)も開設しました。2040年に向かって、65歳以上の人口は増え続けるとされており、それに伴い、地域では脳血管疾患も増えていくことが予想されます。高齢者が多くなり合併症を持った方や救急から入院されてくる方も増加すると考えられるため、そういった患者さんにも対応できる体制を整えていきたいと考えています。

京都桂病院ご提供
京都桂病院ご提供

当院は2016年に、呼吸などによって動く腫瘍を追尾し、ピンポイントに放射線を照射できる高精度な(強度変調および画像誘導)放射線治療機器システムを2種類導入しました。

また2018年5月には、手術支援ロボットダヴィンチを導入しました。今後は、京都西部地域の中核であるためにはダヴィンチ手術が、必須であると考え、導入を決めました。

また、心臓血管センターや脳卒中センターには血管造影のアンギオ装置なども整備しています。

当院では、医療の質を上げていくために「TQMセンター」を立ち上げ、さまざまな活動を行っています。医療の質には技術・知識に関連して主として個人が関わる質以外に、組織の質があります。TQMセンターを設立した目的は、特に組織風土やコミュニケーションの質を改善したりチーム医療を推進したり現場でPDCAサイクルを回す感覚を身につけていただくことです。

質の改善活動の発表会を年に一度行い、組織内のコミュニケーション改善にも努めています。

当院の今後の方向性としては、高度急性期・急性期医療を極めていこうと考えています。現状では救急医療にまだ改善の余地があり、2018年度内に開始を予定している病院の建て替えで救急棟をつくる方針です。将来的には交通外傷などにも率先して対応できるように、人員配置も考えたいと思います。

京都市の西側には、他に急性期の大規模な病院がありません。今後は、当院が中核病院となっていけるよう、医療体制を強化していきたいと思っています。

また、歯科がないことは当院の課題です。昨今は口腔ケアの必要性が注目されているため、建て替えと同時に歯科の開設を考えてゆきたいと思います。

京都桂病院ご提供

働く病院を選ぶうえで、充実した設備など多くのポイントがあると思います。しかし、いちばん大事なのは「人」です。その病院が自身にマッチするかどうかは病院全体の雰囲気も大切になるため、ぜひ一度当院に来て、触れてみて選択してもらえたらと思います。

大学から当院へ赴任される先生方には、当院は質の高い医療を提供しており、十分臨床を極めていただけると自負していることをお伝えしたいと思います。

医師のキャリア形成は多くの選択肢があるため、その人によってニーズが違うかと思います。当院にも多様性に富んだ医師が多くいるため、そのなかでロールモデルとなる方を探してもよいし、独自に経験を積んでもよいでしょう。

自由にいろいろなことにチャレンジしながら、それぞれのやり方で自分の道を選んでもらえたらと思います。

安心安全な医療を提供することで、これからも地域に貢献したいと思っています。何か心配なことがあるときや、急な病気に罹ったときなどに地域の方々から頼りにしてもらえる病院が、我々の目指している病院像です。また、地域の方々との交流も大切だと思っているため、今後も勉強会や講演会など、さまざまな交流の場をつくり必要な情報を提供していこうと考えています。

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  • 社会福祉法人京都社会事業財団京都桂病院 院長

    若園 吉裕 先生

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