
結核の患者さんは日本でも、そして世界中でも減っています。ただ、局地的に増えている場合があります。たとえば、東京都の新宿区に限れば増えているのです。新宿区には外国人が多く、結核が海外から持ち込まれているパターンが多いのではないかと推測されます。結核の専門家である国立国際医療研究センターの高崎仁先生にお話をお伺いしました。
結核には、「感染」と「発病」の2つのステージがあります。
感染とは、身体の中に生きた状態の結核菌が定着しているけれどもまだ身体には変化が起きていない状態です。正確には「潜在性結核感染」と言います。
発病とは、結核菌が分裂・増殖して身体に変化が起き始めている状態のことをいいます。つまり、結核菌が実際に悪さをしている状況で、より危険です。ただし、感染しても症状が全く出ずに発病しないケースは感染者のうち90%を占めます。
結核は、特にアジアの国々で蔓延しています。日本よりも結核に感染しているケースが圧倒的に多いため、発病もしやすくなります。日本に海外から来るのは20代の方が多いのですが、そのような若い方でも結核に感染し、発病してしまうケースが多くあります。場合によっては、入国したときにすでに発病しているケースもあります。また、感染から2年経たずに来日しているケースもあります。感染から2年経っていない状況というのは、発病のリスクが高い状況です。
日本では、結核対策が有効に行われていたため、20~30代の結核患者さんは少ないです。しかし、国内でいくら結核の対策をしても、海外から入ってくるものが防ぎきれていないという現状があります。たとえば、20代の結核患者の40%が外国人というデータも報告されています。新宿区の結核患者に至っては、そのうち70%が外国人です。
日本人の結核患者の半数以上は高齢者であり、70歳以上の方となっています。高齢者の方は結核対策がうまくいっていなかった若い頃に、感染はしていたものの菌が潜んだままであり、それが歳をとるにつれて免疫が弱っていき、発病してしまうというものです。これを内因性再燃(ないいんせいさいねん)といいます。
今現在の数字を見ると、結核の患者数は減っています。しかしこれから減っていくとはいいきれません。海外から続々と結核菌が入ってきており、多くの人に結核感染を引き起こす可能性があるからです。
国が取り組むべきことは、海外からの入国者に対する結核対策でしょう。アメリカの例では、結核の蔓延を防ぐため、ビザ申請の段階でレントゲン写真を提出させています。海外では当たり前のように行われている対策が、残念ながら日本では行われていない現状があります。
また、入国時の検査に加え、保健所での結核健診をもっと積極的に行うべきでしょう。入国後、なるべく早く結核健診を行うのです。このように海外からの結核流入を防いでいくべきです。グローバル化が叫ばれる世の中ですが、これを本当に実現するためには、結核に対してもきちんと対策を打っていく必要があるでしょう。
国立国際医療研究センター 呼吸器内科
周辺で結核の実績がある医師
独立行政法人国立病院機構 東京病院 副院長
内科、リウマチ科、呼吸器外科、消化器外科、整形外科、泌尿器科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、麻酔科、呼吸器内科、循環器内科、緩和ケア内科、感染症内科、消化器内科、脳神経内科
東京都清瀬市竹丘3丁目1-1
西武池袋線「清瀬」南口 久米川駅行・所沢駅東口行 東京病院北下車 下里団地行・滝山営業所行・花小金井駅行 東京病院玄関前下車 バス5分、JR武蔵野線「新秋津」 車10分、西武新宿線「久米川」北口 清瀬駅南口行 東京病院北下車 バス
関連の医療相談が12件あります
肺レントゲン
乳がんの検査中 肺レントゲンを撮り 今まで何回も肺レントゲンしたことありますが 始めて 昔肺炎なったことがあるあとがあるといわれたから マイコプラズマなら。 と言ったら 結核とかの跡かなぁ。 と言われましたが 母は思い出が無いようです 先生は むかしは知らない間にあるみたいだと 言われましたが 影 ?? 転移とか 肺炎は ちゃんとレントゲンで差はわかりますか?
結核の対策について
最近アレルギーの薬をもらうために病院に通い始めたのですが、そこの待合室に「結核に要注意」みたいなポスターが貼ってあって心配になりました。 待っている間暇なので眺めていると、若い人に多いとか、過去の病気じゃないみたいな事が書いてありますけど、大人で結核にかかる人は僕が知らないだけでかなり多いんでしょうか? 子供のころハンコ注射をした覚えがありますが、あれが結核の予防接種ですよね?みんな受けてたと思うんですが、なぜこんなに流行るんでしょうか?何か対策した方がいいんですか?
間質性肺炎の治療について
間質性肺炎と診断され、詳細の検査中です。11月の気温が低くなったあたりから、咳がひどくなりました。12月中旬には咳が止まらず、コデインリン酸塩酸2mgを処方されました。飲み始めて副作用か腰の痛みもあります。食欲も落ち、体重も減りました。今後は、検査結果により、治療法や薬が決まるのだと思いますが病気はどのように進行するのでしょうか?
診療科の案内
何時もお世話になります。脳脊髄液ーーその後の相談です。遠方の病院で12・7~10入院し脳槽シンシグラフィー検査を受けました。結果、漏れはないとの診断でした。現在出ている症状は漏れ症以外、これから先は救急対応もあり地元で診察受けるよう告げられました。医師は検討がつかない様子、地元の病院(内科、脳神経外科内科、眼科、耳鼻科、精神科)は沢山まわりました診断がつきませんでした。掛かりつけの医師は判断できないと断られました。相談です、今後,何かを受けるかアドバイスをお願いします。 症状は起立頭痛、ふらつき、耳鳴り、物忘れ等。症状は多才です、宜しくお願い致します。
※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。
「結核」を登録すると、新着の情報をお知らせします
「受診について相談する」とは?
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。