インタビュー

声帯ポリープの手術と治療法(音声外科)術後の合併症や後遺症はある?

声帯ポリープの手術と治療法(音声外科)術後の合併症や後遺症はある?
渡邊 雄介 先生

国際医療福祉大学 教授、山王病院/国際医療福祉大学 東京ボイスセンター長

渡邊 雄介 先生

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この記事の最終更新は2015年09月16日です。

音声外科は、発声機能に障害がある患者さんを治療する診療科です。
声帯にできる病気のひとつ・声帯ポリープは、発声機能障害でメジャーともいえる疾患です。声帯ポリープの手術はどのように行われるのでしょうか? 山王病院東京ボイスセンター長の渡邊雄介先生にお話をお聞きしました。

声帯ポリープとは声帯に生じる炎症性のいわゆる「こぶ」です。声帯の振動する場所にこぶ状のふくらみができて、声がうまく出なくなります。腫れの箇所はほとんどが限定的で、片側にポコッとできることが多いですが、発病から期間が経ってしまったり重症化してしまったりすると、反対側の声帯にも影響を与える可能性があります。

声帯ポリープは声の出し過ぎが原因と言われており、声帯粘膜の血管が破れて内出血を起こし、こぶ(ポリープ)を形成すると考えられています。

症状は声枯れ(嗄声:させい)が主に起こりますが、のどに違和感を生じたり、声を出すときに違和感があったり、声がやや低音になったり、途中で止まってしまったりすることもあります。声が出にくくなってしまう理由は、振動体である声帯に邪魔なものがぶら下がっているのと同じ状況なので、声門がうまく閉じず、粘膜の波動を破壊してしまうからです。

初期の声帯ポリープは自然に消えてなくなる可能性もあります。自然になかなか消えない場合でも、消炎薬の投与やステロイドホルモンの吸入治療でポリープがなくなることもあります。しかし、これらの治療を行っても改善が見られない場合に手術が適応となります。

手術は入院の上、全身麻酔をかけて喉頭顕微鏡下手術(ラリンゴマイクロサージェリー)を顕微鏡による拡大視のもとに行います。全身麻酔ができない場合や、患者さんがどうしても入院したくない・入院できないという場合などは、ごく小さなポリープに限り、局所麻酔でファイバースコープを用いた摘出をすることもありますが、これは最新設備や熟練の技術を持った医師の体制が整っている環境でないとできない術式です。ファイバースコープを用いた手術ができる施設は限られているため基本的には入院が必要と考えてください。

この手術の後には声帯に傷がつくため、安静のために1週間程度沈黙しておく必要があります。つまり、最低1週間は声が全く出せないということになります。

沈黙解除を一週間と定めているのは、もう一つの理由があります。それは筋肉の問題です。
のども筋肉を使って動かしています。そのため、のどをあまりにも長期間使わないと発声に関する筋肉が萎縮してしまい、フルボイスまで出せるようになるのが遅れてしまう可能性があるのです。

※ただし、山王病院では標準3日間(手術日を含む)の期間を置けば沈黙を解除してもいいということにしています。これは48時間で傷が落ち着き、その後かさぶたができるため、創傷(外からできた傷、外傷)が擦れても大丈夫であるという根拠に基づいて決めているものです。ただし、プロ歌手などの場合は歌唱まで3週間発声を制限してもらうこともあります。

前述したファイバースコープであれば、入院なしでの手術が可能です。入院する場合は、約3~5日間が目安で、そこまで長期的に入院する必要はありません。

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