インタビュー

ポリープ様声帯の手術と治療法(音声外科)

ポリープ様声帯の手術と治療法(音声外科)
渡邊 雄介 先生

国際医療福祉大学 教授、山王病院/国際医療福祉大学 東京ボイスセンター長

渡邊 雄介 先生

目次
項目をクリックすると該当箇所へジャンプします。

この記事の最終更新は2015年09月18日です。

声帯にできる疾患のひとつ・ポリープ様声帯は、喫煙が大きく関与する声帯の病気です。ポリープ様声帯の手術はどのように行われるのでしょうか? 山王病院東京ボイスセンター長の渡邊雄介先生にお話をお聞きしました。

ポリープ様声帯とは、声帯全体がむくみ、腫れあがった状態になる病気です。声帯ポリープ声帯結節は声帯の一部分が腫れたりこぶになったりする病気ですが、こちらの病気では声帯全体が侵されてしまいます。多くの場合は声帯の両側に生じ、声帯ポリープ様変性と呼ばれることもあります。

この原因はのどの酷使との関連にはなく、喫煙が大きく関与していると考えられています。
症状は、声枯れ(嗄声)のほか、のどの違和感や乾燥感などの症状を訴える患者さんも多いようです。間接喉頭鏡検査や喉頭ファイバースコープ検査で声帯を観察することで簡単に診断できます。

ポリープ様声帯
ポリープ様声帯

ポリープ様声帯の治療は以下のとおりです。

喫煙している患者さんの場合、まずは禁煙を徹底していただきます。これだけでも声帯の腫れが軽度であれば治ってしまうこともあります。その他には、消炎薬の投与やステロイドホルモンの吸入治療を行います。
それでも症状が進行する場合や治らない場合は、声帯粘膜化の腫れあがった組織を取り除く手術を行います。

手術は原則として入院が必要です。全身麻酔下に、喉頭顕微鏡下手術(ラリンゴマイクロサージェリー)を行います。
また、喫煙歴がある方の場合は、病理検査で患部が悪性化していないかチェックします。ポリープ様声帯からがんが見つかる可能性もゼロではありません。実際、東京ボイスセンターで手術する年間200~250例のうち、0.5%の確率でがんが見つかることがあります。ですから喫煙者の方は、声帯の病変が見つかった場合であれば常にがん検診をしていただきます。

ポリープ様声帯の手術も声帯ポリープ手術と同様に、手術の後は傷口が開かないよう、一般的には1週間程度、沈黙期間を設けます。3日程度の施設もあります。
また、声枯れなどの症状が2週間以上改善しない場合は、念のため耳鼻咽喉科にかかるようにしましょう。特にヘビースモーカーだった方は、定期的な診断をする必要があります。

入院期間は声帯ポリープ声帯結節に同じく、通常で3~5日間です。ただし、前述したように、退院後も声帯の傷の安静のため、1週間程度の沈黙期間を要します。

受診について相談する
  • 国際医療福祉大学 教授、山王病院/国際医療福祉大学 東京ボイスセンター長

    渡邊 雄介 先生

「メディカルノート受診相談サービス」とは、メディカルノートにご協力いただいている医師への受診をサポートするサービスです。
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。
  • 受診予約の代行は含まれません。
  • 希望される医師の受診及び記事どおりの治療を保証するものではありません。

関連の医療相談が12件あります

※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。

「ポリープ様声帯」を登録すると、新着の情報をお知らせします

処理が完了できませんでした。時間を空けて再度お試しください

「受診について相談する」とは?

まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。

  • お客様がご相談される疾患について、クリニック/診療所など他の医療機関をすでに受診されていることを前提とします。
  • 受診の際には原則、紹介状をご用意ください。