インタビュー

双子を妊娠したときの膜性診断―卵性診断との違いとは

双子を妊娠したときの膜性診断―卵性診断との違いとは
和田 誠司 先生

国立成育医療研究センター 周産期・母性診療センター 胎児診療科 医長

和田 誠司 先生

目次
項目をクリックすると該当箇所へジャンプします。

この記事の最終更新は2015年09月17日です。

前の記事「双子を妊娠したら―絶対に知っておくべき基礎知識」では、双子を妊娠された方すべてが覚えておくべき基本的なことがらについてご説明しました。さまざまな必須知識と並び、ご自身のケースがどの「膜性」にあたる双胎妊娠なのかを知っておくことは非常に重要です。この記事では、この「膜性」が何を示すのか、そしてよく知られている「卵性」との違いは何なのかといった知識について詳しくご説明します。引き続き、成育医療研究センター・周産期母性診療センター医長の和田誠司先生に伺いました。

双子の一般的な表現として一卵性、二卵性というような表現(「卵性」)のしかたがありますが、これはここで説明する「膜性」とは異なります。
「卵性」はリスク評価の際には用いられません。双胎妊娠をされた方は「膜性」について知っておかなければなりません。この「膜性」についてご説明する前に、まずは「卵性」について解説します。

1つの卵細胞が1つの精子と受精した後に2個以上の胎芽に分割し、それぞれが1つの胎児として発育するものが一般的に言う「一卵性」双胎です。

同時に2つ以上の卵細胞が排卵され、別々に受精・着床し発育したものを「多卵性」双胎といいます。2つの場合は、下図の「二卵性」双胎となります。

膜性診断という方法は、羊膜(赤ちゃんを包む膜)と胎盤によって分類する方法です。この膜性診断によって、双子の赤ちゃんに起こりうる様々なリスクを評価することができます。双胎妊娠の場合、早期からの膜性診断を行うことで胎児のリスクを評価し、以後の管理を行うことが重要になってきます。

膜性診断には、以下に挙げる3つの種類があります。

素材提供:PIXTA

ふたりの赤ちゃんが別々の膜に包まれた空間にいて、それぞれの赤ちゃんに専用に胎盤がひとつずつあります。

ふたりの赤ちゃんは別々の膜に包まれた空間にいますが、胎盤はひとつの胎盤をふたりで分け合って使っている状態です。

ふたりの赤ちゃんが同じ空間にいて、胎盤もひとつしかない状態です。ふたりのへその緒が絡み合ってしまうことも多く、双胎妊娠の中では最もリスクが高い状態です。

双子を妊娠された方は、ご自身のケースが上記のどれに当てはまるのか、しっかりと認識しておくようにしてください。

受診について相談する
  • 国立成育医療研究センター 周産期・母性診療センター 胎児診療科 医長

    和田 誠司 先生

「メディカルノート受診相談サービス」とは、メディカルノートにご協力いただいている医師への受診をサポートするサービスです。
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。
  • 受診予約の代行は含まれません。
  • 希望される医師の受診及び記事どおりの治療を保証するものではありません。
この記事は参考になりましたか?
記事内容の修正すべき点を報告
この記事は参考になりましたか?
この記事や、メディカルノートのサイトについてご意見があればお書きください。今後の記事作りの参考にさせていただきます。

なお、こちらで頂いたご意見への返信はおこなっておりません。医療相談をご要望の方はこちらからどうぞ。

    実績のある医師

    周辺で多胎妊娠の実績がある医師

    国立成育医療研究センター 産科医員

    おがわ こうへい
    小川先生の医療記事

    5

    内科、アレルギー科、血液内科、リウマチ科、外科、心療内科、精神科、神経内科、脳神経外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、矯正歯科、小児歯科、麻酔科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、免疫科

    東京都世田谷区大蔵2丁目10-1

    小田急線「成城学園前」南口 バスの利用も可能(所要時間約10分 小田急バス/東急バス 国立成育医療センター前下車 徒歩1分) 車5分、東急田園都市線「用賀」成城学園前駅行 国立成育医療センター前下車 徒歩1分 バス15分

    関連の医療相談が11件あります

    ※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。

    「多胎妊娠」を登録すると、新着の情報をお知らせします

    処理が完了できませんでした。時間を空けて再度お試しください

    「受診について相談する」とは?

    まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
    現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。

    • お客様がご相談される疾患について、クリニック/診療所など他の医療機関をすでに受診されていることを前提とします。
    • 受診の際には原則、紹介状をご用意ください。

    メディカルノートをアプリで使おう

    iPhone版

    App Storeからダウンロード"
    Qr iphone

    Android版

    Google PLayで手に入れよう
    Qr android
    Img app