
NICUは、生まれたばかりの赤ちゃんが医療の助けを必要としているとき、治療のために入る集中治療室です。もし赤ちゃんがNICUに入ることになったら―この記事がご家族の皆さんの疑問や不安を解消するきっかけになれば幸いです。NICUについて、東京大学医学部附属病院小児・新生児集中治療部教授・部長の高橋尚人先生にうかがいました。
NICU(Neonatal Intensive Care Unit:新生児特定集中治療室)は新生児(生まれたばかりの赤ちゃん)に特化した専用のICU(集中治療室)のことです。一般のICU以上に細菌感染などを防ぐために厳重に管理されていて、赤ちゃんはひとりずつ保育器の中で酸素や栄養をもらいながら治療を受けます。
東京大学医学部附属病院小児医療センターのNICUは9人の赤ちゃんを受け入れることができます。東京都の周産期搬送ネットワークシステムに参加していて、中央ブロックの責任センターとなっています。NICUがある施設は新生児科のある比較的大きな病院に限られているので、その他の病院や産院からも多くの赤ちゃんが送られてきます。
少子高齢化の時代と言われていますが、現状では新生児医療を必要とする赤ちゃんの数に対して、NICUの病床数はまだ十分とはいえません。全国的に見ても、30代・40代で出産される方の数は増えていますし、高いリスクのもとで生まれてくる赤ちゃんの数は、とても多くなっています。
NICUは超低出生体重児(1,000g未満)を含むあらゆる病的新生児が対象で、除外対象はありません。外科疾患についてもすべて対応しています。基本的に一度も自宅退院していない赤ちゃんが入院対象となります。
東京大学医学部附属病院小児医療センターではECMO(体外式膜型人工肺)やCHDF(持続的血液濾過透析)など、他のNICUでは対応できない治療も行います。年間で200〜250人ほどの赤ちゃんが入院します。そのうち極低出生体重児(1,500g未満)は50人、超低出生体重児は20人くらいです。外科疾患や先天性心疾患の赤ちゃんはそれぞれ40人程度です。
NICUでの治療は保険の適応となっていますので、ご本人負担は2割ですが、未熟児養育医療制度などを利用すれば、その費用についても給付を受けることができます。そのため、実質的にご負担いただくのは通常どの赤ちゃんについてもおむつ代程度となります。ただし、世帯の所得額によっては一部負担の場合もあります。この制度を利用して給付を受けられるのは下記の条件に当てはまる場合です。
実際には赤ちゃんの状態や症状について細かく規定されていますので、該当するかどうかは各自治体か病院でご確認ください。
東京大学医学部附属病院 小児・新生児集中治療部教授・部長
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