今回は、予防医学でも注目を集めるPET検査の注意事項と、放射線について説明していきます。
※本記事は、日本核医学会、日本アイソトープ協会にご監修いただいております。
※本記事では、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(旧薬事法)上の医薬品であるかどうかにかかわらず、PET検査に使用する放射性薬剤を「くすり」と表現しています。
一般的には以下のような注意事項がありますが、必ず医師に確認のうえ指示に従ってください。
注射や吸入で体内に入れるPET検査用のくすりは、微量の放射線を出す物質で目印(標識)がつけられているのでわずかに被ばくします。それゆえに不安になる方も多いですが、PET検査で受ける程度の被ばく線量はほとんど心配ないといえます。実のところ、私たちは普通に暮らすだけで、宇宙・大地からの放射線、食べ物、体内にある放射性元素などで被ばくしています。
PET検査・PET/CT検査で受ける被ばく線量で、急性の放射線障害が起きる可能性はいっさいありません。また、将来「がん」が発生する可能性も、ほとんどないといえます。国際放射線防護委員会は、どんなに少ない放射線でもがんが発生する可能性があるという仮説に基づき、「1 mSvの被ばくで20,000人に1人が将来がんで死亡する可能性があるとしていますが、実際にこの線量で発がんが確認された例はなく、特定の人がこの確率にあてはまるということでもありません。なお、放射線被ばくはできるだけ少なくするのが原則的な考えです。しかし、医療では特定の被ばく線量の限度を設けないことがあり、それはあくまでも、診断により患者さんが受けるメリットが放射線被ばくの害を上回ると医師が診断した場合のみとされています。
※本記事は、日本核医学会、日本核医学技術学会、日本アイソトープ協会による『PET検査Q&A』(pdf)をもとにしています。