認知症においては、早期発見・早期の治療開始が症状の回復に有効です。また、認知症のなかでも特発性正常圧水頭症は回復の可能性の高い病気です。もし身近な方に認知症を疑う症状が現れたら、早めに病院を受診することが望まれます。早期発見のために私たちはどんなことを受診の際の目安にすればいいのか、厚地脳神経外科の厚地正道先生にお話をうかがいました。
特発性正常圧水頭症では、特徴的な症状として歩行障害、認知症、尿失禁の三徴候がみられます。
歩行障害は発症早期から現れやすい症状です。特徴は、歩幅が小さくなったり(小刻み歩行)、足を上げづらくなったり(magnet gait)、足を広げて歩くようになったり(開脚歩行)します。またバランス能力が低下しやすくなり、転びやすくなります。障害が強くなってくると、最初の一歩が出しにくくなる「すくみ足」が起きたり、立っている状態を保持することが困難となります。
歩行障害は患者さんの生活の質に最も大きく関わる症状です。徐々に体重を支えるための介護量が増え、家族の介護負担が増していきます。
特発性正常圧水頭症における認知症の症状は、アルツハイマー病やレビー小体病とは異なり、忘れっぽさよりも意欲・活気の低下、自発性や集中力の低下が目立ちます。さらに進行すると、呼びかけに対する反応が悪くなり、終日ボーっとしているなど元気がなくなってきます。特発性正常圧水頭症に認知症様症状がみられる場合、それが共存するその他の認知症の影響が強いのか否か考察することが大切になります。
頻尿傾向や尿失禁(トイレに間に合わない、我慢できない)がみられるようになります。排泄の問題は、日常生活では本人・家族双方にとって精神的にきつい介護負担となります。
頭部CT/MRIで脳脊髄液貯留の有無を確認します。近年日本で行われた臨床前向き試験である、SINPHONIやSINPHONI-2において脳室拡大以外にDESH所見(頭頂部の脳脊髄液スペースが見えなくなる、不均一な髄液貯留)がみられると手術治療により臨床症状の改善可能性が高くなることが示されています。
老人性認知症でも脳萎縮に伴い脳室の拡大が認められることがあり、鑑別診断のために髄液排除試験(タップテスト)が行われます。腰椎穿刺を行って頭蓋内圧(正常値は80〜180mmH2O)を測定した後、約30mlの髄液を排除して症状が改善するか否かを評価します。水頭症がほとんど影響していない患者さんではタップテストを行っても症状は改善されませんが(心身機能が衰えすぎている人では症状改善はみられにくく、慎重な判断が要求されます)、タップテストで症状の改善が認められれば水頭症が悪さをしていると判断され、水頭症手術の適応があると考えます。
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術後の後遺症について
母が、昨年の3月に交通事故にあい、その際頭を強打し1ヶ月入院。退院後は日常生活を普通におくれてはいますが「外傷性正常圧水頭症」で、通院中です。 MRI結果、事故後1年で髄液により脳室が 拡大しているそうで、「脳室にカテーテルを入れてせき髄液の循環経路を作って、過剰な髄液を出す」というおおまかな説明をうけ「治りますよ』と医師は軽く仰っているそうなんですが、 母はカテーテルをすれば本当に完治するのか、またカテーテルバルブを生涯埋め込む事になるので、後遺症などあったりするのかその点をお伺いできればと思います
尿失禁がある
最近尿失禁〔大小共に〕あります。 頻繁にです。
これって認知症
最近、今言ったことが記憶できなくて、何度も確認する。 医療機関を受診した方がいいでしょうか?
突然のボケ
今日夕方、実家の弟から母が出先で急に訳が分からなくなり帰れなくなり先方から電話があった。 話の途中で急にわからなくなり、誰と話しているか、自分がどこにいるかもわからなくなったようです。 私が県外で暮らしている事も忘れているとの事です。現在も状態変わらず。 以前、転んで頭を打った際にかかった病院に電話すると検査が明後日、診断は来週の予約しか取れないと言われたそうですが、すぐに病院に行かなくても良いのでしょうか?
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