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インタビュー

メンケス病の早期発見・早期診断のために

メンケス病の早期発見・早期診断のために
新宅 治夫 先生

大阪市立大学 大学院医学研究科 障がい医学・再生医学寄附講座 特任教授

新宅 治夫 先生

現在の治療ではメンケス病の神経症状を改善することは難しく、早期発見・早期診断を行い、治療を開始することが重要になっています。それでは、メンケス病の早期発見・早期診断をするためにできることは、なにがあるのでしょうか。現状の課題と今後の展望を含めて、引き続き大阪市立大学大学院医学研究科 発達小児医学分野教授の新宅治夫先生にお話を伺いました。

現在、メンケス病の子どもを産んだ家庭が2人目以降を出産するケースでは、早期にメンケス病を発見できるようになっています。それは、第1子がメンケス病であったために、早期に遺伝子検査を行っているからです。一部の外国では、出産時に自費で全遺伝子を解析して、赤ちゃんの疾患をスクリーニングするということを行っている方もいらっしゃるそうです。しかし、全出産例に対して遺伝子検査を行うことは、現時点では非現実的であり、遺伝子解析には少なからず費用もかかります。

また、フェニルケトン尿症メープルシロップ尿症・ホモシスチン尿症(いずれもアミノ酸代謝異常症に分類される、アミノ酸を代謝するための酵素が働かない先天性疾患)など特定の代謝性疾患には新生児期のマススクリーニングが行われていますが、メンケス病は患者数が少ないために、現在はメンケス病に対するスクリーニング検査が行われていません。

米国ではマススクリーニングにメンケス病を追加することを推奨する論文も出ているため、今後はメンケス病がスクリーニングに追加される可能性もあるかもしれません。しかし現時点での早期発見のためには、見た目からわかる臨床症状(特徴的な毛髪・筋力低下など)に気づいてメンケス病を調べる検査を行うことが重要といえます。

※マススクリーニングに関しては『先天代謝異常症とはどのような病気か。遺伝子レベルの異常により発症する』も参照してください。

記事3『メンケス病の治療。銅の皮下注射が基本となる』でもお伝えしましたが、現在の治療法では、特徴的な頭髪の改善は見込めますが、神経症状を改善することはできません。また様々な合併症が生じるために予後(治療後の経過)は悪くなっています。

メンケス病では銅の皮下注射が基本的な治療となりますが、近年、長期にわたって銅の補充療法を行うことにより銅が腎臓に蓄積し、腎機能が障害される事例が報告されてきました。そこで今後は新たなメカニズムをターゲットとした治療が望まれているといえます。

メンケス病の患者数が少ないために、メンケス病を専門とする医師も少ないという課題がありますが、現時点で生化学的なメカニズムは徐々にわかってきており、それに伴い治療法も刷新されてくるでしょう。

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