インタビュー

メンケス病の症状と合併症。症状は多岐にわたる

メンケス病の症状と合併症。症状は多岐にわたる
大阪市立大学大学院医学研究科 障がい医学・再生医学寄附講座 特任教授 新宅 治夫 先生

大阪市立大学大学院医学研究科 障がい医学・再生医学寄附講座 特任教授

新宅 治夫 先生

メンケス病は銅の吸収がうまくできないことが原因となっていることを、記事1『メンケス病とはどんな病気?銅の代謝が障害される遺伝性疾患』でお話ししましたが、銅はあらゆる臓器で重要な役割を果たしている重要な栄養素です。そのため、銅が体内に吸収されないメンケス病では、様々な症状が現れます。今回はメンケス病の多様な症状と、起こりうる合併症について、引き続き大阪市立大学大学院医学研究科 発達小児医学分野教授の新宅治夫先生にお話しいただきました。

メンケス病の症状とは。特徴的な毛質が現れ、全身の筋力が低下

メンケス病でもっとも特徴的な症状は、“キンキーヘア(kinky hair)”とよばれる症状です。キンキー(kinky)とは本来、「変わった」「ねじれた」「ちぢれた」「よれた」などという意味がありますが、メンケス病の赤ちゃんはその呼び名の通り髪の毛の色が赤や金色で、毛質もちぢれています。また早期から脱毛がみられることもあります。日本人では通常、このような毛質はあまり見られないので、お母さんも比較的気がつきやすい症状のひとつといえます。

発達遅延もみられます。メンケス病の赤ちゃんは3ヶ月を過ぎても首が座らず、5ヶ月を過ぎても寝返りをしません。このような全身の筋力の低下は脳の神経障害が原因となって生じます。

その他にも、メンケス病の赤ちゃんには時期ごとに以下にあげる症状がみられます。

メンケス病に見られる特徴的な症状
新生児期からみられる症状 毛髪的特徴:赤毛・ちぢれ毛・脱毛
低体温
3ヶ月頃からみられる症状 中枢神経障害:精神発達が遅い・けいれん・筋力の低下など
体重があまり増えない
巨大膀胱憩室と憩室破裂

※巨大膀胱憩室とは、膀胱壁の一部が脆弱なために、圧がかかることでその脆弱な部分が膀胱の外に飛び出してしまった状態のことをいいます。憩室は内側から見ると小さなくぼみのようになっているために、そこに尿が溜まってしまい、次第に大きくなって巨大な憩室をつくります。また壁が薄くなっているために、憩室部分が破裂することもあります。

※憩室破裂とは巨大膀胱憩室によりその憩室が破裂してしまった状態のことを指します。

メンケス病における合併症とは―肺や血管、尿路、消化器、骨などに異常が起こる

また、これらの症状のほかに、以下のような合併症が起こることがあります。

●代表的なメンケス病による合併症

繰り返す尿路感染症

 膀胱や腎臓で細菌感染を起こし、炎症が起きる

・誤嚥性肺炎

 肺に異物が入り込んでしまって肺炎になる

・血管壁の障害

 硬膜下出血・膀胱出血などが起きる

・骨粗しょう症

・下痢