編集部記事

アレルギーの検査はどのように受けるの? ~プリックテストやパッチテスト、IgE抗体検査の違いとは~

アレルギーの検査はどのように受けるの? ~プリックテストやパッチテスト、IgE抗体検査の違いとは~
新宅 治夫 先生

大阪市立大学 大学院医学研究科 障がい医学・再生医学寄附講座 特任教授

新宅 治夫 先生

目次
項目をクリックすると該当箇所へジャンプします。

アレルギーとは、体に侵入した細菌やウイルスなどの異物を排除しようとする“免疫”の異常によって引き起こされるもので、アレルギーが原因となって起こる病気をアレルギー疾患と呼びます。

アレルギー疾患にはさまざまな種類があり、代表的なものに花粉症アトピー性皮膚炎、気管支喘息などがあります。アレルギー疾患の治療のためには、検査によってアレルギーの情報を集めることが重要です。

アレルギー検査は、アレルギー疾患が疑われる場合に行われる検査のことです。

アレルギー疾患は侵入した異物を排除しようとする“免疫”が過剰反応することによって起こります。アレルギー反応を起こす原因となる物質をアレルゲンと呼び、食べ物やダニ、カビ、花粉、薬品など、日常のさまざまな物質がアレルゲンとなり得ます。

どのようなアレルゲンがアレルギーの原因になっているのかは、人によって異なります。アレルギー治療では原因となるアレルゲンを可能な限り取り除くことが重要であるため、検査でアレルゲンを特定することが必要です。

また、アレルギー疾患の種類によっては、体の中でアレルギー反応がどれくらいの強さで起こっているのかを調べたり、症状が現れている器官の状態を調べたりすることもあります。

アレルギー検査には、アレルゲンを特定する検査とアレルギー反応の有無を調べる検査、そしてアレルギー疾患の種類に応じて行われる検査があります。

アレルゲンを特定する検査とアレルギー反応の有無を調べる検査は、アレルギー疾患の種類にかかわらず行われることがあります。

プリックテスト

プリック針と呼ばれる細い針で少量のアレルゲンを皮膚に入れ、15分後に現れた膨疹(ぼうしん)の大きさから、各アレルゲンに対するアレルギー反応の有無を調べます。

花粉症アレルギー性鼻炎アトピー性皮膚炎アレルギー性結膜炎食物アレルギーなど、“即時型アレルギー”と呼ばれるタイプのさまざまなアレルギー疾患に用いられます。

パッチテスト

アレルゲンを背中や腕の外側に貼り付け、48時間後の皮膚の様子から、アレルゲンを特定する検査です。主に、アレルギー性接触皮膚炎かぶれ)のアレルゲンの特定に用いられます。

接触皮膚炎では、アレルゲンに触れてから症状が現れるまで時間がかかることがあるため、このような方法が適しています。

IgE抗体検査

IgE抗体とは、アレルゲンに反応して産生され、アレルギー反応を引き起こす抗体のことです。血液中のIgE抗体の発現量を調べ、そのIgE抗体がどのアレルゲンに対するものなのかを調べることによって、アレルゲンの種類を調べることができます。

ただし、この検査で検出されるIgE抗体の量が短期的な病勢の変化を反映しているわけではなく、長期的なコントロールの指標として用いられます。

好酸球数測定

アレルギー反応が起こると好酸球と呼ばれる白血球の一種が増加することが知られています。好酸球数は血液検査のほか、粘膜分泌物、鼻汁、痰から調べることができます。

ただし、アレルギー以外の病気でも好酸球数が増加することがあるため、あくまで診断の補助として行われます。

アレルギー疾患はアレルギー反応の有無に加え、実際にどのような症状が起こっているかを総合的にみて診断されます。そのため、アレルギー疾患に応じて症状を確かめる検査が行われることがあります。

アレルギー疾患は多岐にわたるため行われる検査もさまざまですが、気管支喘息特有の検査として呼吸機能検査、ピークフロー検査、気道過敏性検査、呼気一酸化窒素検査、アトピー性皮膚炎特有の検査として血清中のTARC検査などがあります。

アレルギーの症状がある場合は、アレルギー科、内科、耳鼻咽喉科、皮膚科、眼科などを受診します。体のどの部位に症状が現れているかによって診療科を選ぶようにしましょう。

診察では、症状について問診を行ったうえで医師が必要と判断した場合は検査を行います。問診では、どのような場合にアレルギー症状が現れるのか、どのような症状があるのかを伝えられるようにしましょう。

アレルゲンを特定する検査は、症状がまったくない場合でも受けることができますが、その場合は保険が適用されないため全額自己負担となることがあります。検査費用は医療機関によって異なるため、検査を希望する場合は事前に確認しておくとよいでしょう。

アレルギーの検査は、アレルゲンを特定するための検査やアレルギー疾患に応じて行われる検査があります。検査を受ける際には問診の内容が重要になるため、自分のアレルギー症状について説明できるようにしておくとよいでしょう。

この記事は参考になりましたか?
記事内容の修正すべき点を報告
この記事は参考になりましたか?
この記事や、メディカルノートのサイトについてご意見があればお書きください。今後の記事作りの参考にさせていただきます。

なお、こちらで頂いたご意見への返信はおこなっておりません。医療相談をご要望の方はこちらからどうぞ。

    実績のある医師

    周辺でアレルギーの実績がある医師

    東京慈恵会医科大学 葛飾医療センター 小児科 助教

    ほりむかい けんた

    内科、消化器内科、脳神経内科、腎臓内科、内分泌・代謝内科、循環器内科、呼吸器内科、精神科、小児科、皮膚科、外科、消化器外科、肝臓外科、乳腺外科、呼吸器外科、血管外科、整形外科、脳神経外科、形成外科、産婦人科、泌尿器科、眼科、耳鼻いんこう科、リハビリテーション科、麻酔科、放射線科、病理診断科

    東京都葛飾区青戸6丁目41-2

    京成本線「青砥」京成バス(約6分):慈恵医大葛飾医療センター行き 徒歩10分、JR常磐線(上野~取手)「亀有」京成タウンバス(新小58系統) 新小岩駅北口行き(環七経由) 慈恵医大葛飾医療センター下車 バス10分、JR中央・総武線「新小岩」北口 京成タウンバス(新小58系統) 亀有駅行き(環七経由) 慈恵医大葛飾医療センター下車 バス

    日本医科大学 大学院医学研究科アレルギー膠原病内科学分野 大学院教授 、日本医科大学付属病院 リウマチ・膠原病内科 部長、強皮症・筋炎先進医療センター センター長

    くわな まさたか
    桑名先生の医療記事

    7

    内科、血液内科、リウマチ科、外科、東洋医学科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、整形外科、形成外科、美容外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、麻酔科、ペインクリニック科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、緩和ケア内科、消化器内科、肝臓内科、糖尿病内科、内分泌内科、代謝内科、膠原病内科、脳神経内科、老年内科、内分泌外科、放射線治療科、頭頸部外科、精神神経科、総合診療科、病理診断科

    東京都文京区千駄木1丁目1-5

    東京メトロ南北線「東大前」2番出口 徒歩5分、東京メトロ千代田線「千駄木」1番出口 徒歩7分、都営三田線「白山」A2、A3出口 徒歩10分、JR山手線「日暮里」東口より病院送迎車運行 バス

    昭和大学病院 小児科 教授

    いまい たかのり
    今井先生の医療記事

    7

    内科、アレルギー科、血液内科、リウマチ科、外科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、美容外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、緩和ケア内科、腫瘍内科、感染症内科、消化器内科、糖尿病内科、内分泌内科、代謝内科、膠原病内科、脳神経内科、放射線治療科、頭頸部外科、精神神経科、病理診断科

    東京都品川区旗の台1丁目5-8

    東急大井町線「旗の台」 徒歩5分

    中央内科クリニック 院長

    むらまつ ひろやす
    村松先生の医療記事

    3

    内科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、糖尿病内科

    東京都中央区日本橋人形町2-7-10 中央健診センタービル1F-3F

    東京メトロ日比谷線「人形町」A3出口 徒歩1分、東京メトロ半蔵門線「水天宮前」 徒歩5分、都営新宿線「浜町」 徒歩5分

    帝京大学 医学部内科学講座 教授

    こうの はじめ
    河野先生の医療記事

    2

    内科、アレルギー科、血液内科、リウマチ科、外科、精神科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、ペインクリニック科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、緩和ケア内科、腫瘍内科、感染症内科、消化器内科、糖尿病内科、内分泌内科、膠原病内科、脳神経内科、肝胆膵外科、内分泌外科、総合診療科、病理診断科

    東京都板橋区加賀2丁目11-1

    JR埼京線「十条」北口  国際興業バス:帝京大学病院正面経由、赤羽駅西口駅行き 帝京大学病院正面下車 徒歩10分、都営三田線「板橋本町」A1番出口 徒歩13分、宇都宮線「赤羽」西口 国際興業バス 帝京大学病院正面経由、王子駅行き 帝京大学病院正面下車 バス、JR埼京線「板橋」西口 国際興業バス 帝京大学病院経由、王子駅行き 帝京大学病院下車 バス

    関連の医療相談が34件あります

    ※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。

    「アレルギー」を登録すると、新着の情報をお知らせします

    処理が完了できませんでした。時間を空けて再度お試しください

    メディカルノートをアプリで使おう

    iPhone版

    App Storeからダウンロード"
    Qr iphone

    Android版

    Google PLayで手に入れよう
    Qr android
    Img app