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インタビュー

尿道下裂とは? 尿道が本来あるべき部分にない先天疾患

尿道下裂とは? 尿道が本来あるべき部分にない先天疾患
佐藤 裕之 先生

東京都立小児総合医療センター泌尿器科医長

佐藤 裕之 先生

尿道下裂とは生まれつき尿道(尿の通り道)が本来あるべき亀頭部にない先天的な疾患のことで、しばしば余剰皮膚(おちんちんの皮が余っている状態)や陰茎湾曲症(おちんちんが曲がってしまう状態)といった症状を伴います。原因ははっきりと分かっていない点もありますが、性に関する様々な問題と絡んでくることもあるといわれています。今回は尿道下裂について、東京都立小児総合医療センター 泌尿器科医長の佐藤裕之先生にお話しいただきました。

尿道下裂とは、尿道口(尿が出る場所)が通常よりも肛門側、陰茎の下のほう(おちんちん(陰茎)のお腹側と呼びます)に開いている状態のことをいいます。

どの程度尿道口の位置がずれているかは程度によって異なりますが、重症の場合は尿道口が陰嚢の部分にまで下がった状態で形成されているものもあります。

また尿道下裂の特徴として、包皮の分布異常が同時に現れます。包皮と陰茎のバランスが悪く、包皮が余剰皮膚としておちんちん(陰茎)のお腹側の根元部分に集まっている一方、おしり側の皮膚が足りなくなっているため、亀頭がくっきり見える状態になっています。

尿道下裂
尿道下裂

また、尿道下裂のもう一つの大きな特徴は、おちんちん(陰茎)が下向き(お尻のほう)に曲がった状態になっていることです。おちんちん(陰茎)が曲がってしまう原因には、包皮がおちんちん(陰茎)のおしり側で足りなくなっているために弓状に屈曲している場合と、おちんちん(陰茎)そのものが曲がっている場合の2パターンがあります。しかしおちんちん(陰茎)が曲がっている原因がどちらなのか、外から見ただけでは完全には見極めできないことが多いのです。

陰茎湾曲症
陰茎湾曲症:陰茎が曲がっており、勃起時もまっすぐに勃たない

尿道下裂を起こす原因としては、性分化疾患(詳細は『性分化疾患に対する東京都立小児総合医療センター医療チームの取り組み』を参照)によるものが10%弱といわれています。

その他、はっきりと原因が分かるのは性分化疾患を含めて全体の約30%といわれており、遺伝的要素、家系的要素が絡んできます。しかし裏を返せば、残りの70%は原因がわからないということです。

このように原因は不明な部分が多いものの、近年では徐々に遺伝子的なメカニズムが分かってきています。実験動物による研究レベルでは、おちんちん(陰茎)の構造に深くかかわる遺伝子があり、それが欠けている方、あるいは十分ではない方がいることもわかっています。

ただし、その原因が分かったからといって尿道下裂の治療の役に立つかというと、そうとはいえないのが現状です。

尿道下裂は男児1000人につき4人程度との海外の報告はありますが、日本での正確なデータがないのが現状です。東京都立小児総合医療センター泌尿器科の初診患者さんの場合は、4~5%の方が尿道下裂です。

尿道下裂の方が将来的に子どもを作れるかどうかは、内分泌的なホルモンの問題がないか、具体的には性分化疾患などを伴っているかどうかの部分に大きく左右されます。

また、他の疾患、たとえば停留精巣(ていりゅうせいそう)の状態があるかどうかも重要です。停留精巣とは陰嚢(おちんちん(陰茎)の下にあるふくろの中)に精巣(精子を作る工場のような器官。睾丸ともいいます)が入ってない状態のことをいい、生殖機能が低下する要因となります。

これらのような合併症がなければ生殖機能は良好であることが多いですが、思春期以降まで経過を見て最終的に判断しています。

ホルモン治療を行い陰茎の増大を図る必要がありそうな子どもに関しては、一律内分泌代謝科で検査していただいています。検査内容も泌尿器科ではなく内分泌科の先生が判断して、検査を受けていただきます。

検査は泌尿器科医だけが行っても不十分であり、まして「手術して終わり」というのは決してあってはならないと考えています。手術は前提として、術後の管理やケアも含めて誰がどう見るか・どうやるかを考えていくのが尿道下裂の本来の治療となります。

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