
妊娠から出産まで大きな問題なく過ごし、元気なお子さんが生まれることは決して当たり前のことではありません。ときに、胎児が妊娠中期から出産時期にかけて「元気かどうか正確にわからない」という状態になってしまうことがあります。山王病院産婦人科の箕浦茂樹先生にNRFS(胎児機能不全)についてお話をうかがいます。
NRFS(胎児機能不全)とはどんな病気?、お腹の中にいる赤ちゃんが「元気である、とはいえない状態」を指します。「NRFS」とは、「Non Reassuring Fetal Status」を略した言葉です。直訳するとReassuringは「特別問題がないだろう」という意味で、それを否定するNonが頭について「特別問題がないだろう、とはいえない」という解釈になります。かつて胎児ジストレス(胎児仮死)と呼ばれていたものと概念的にはほぼ同じですが、胎児が仮死状態であるかどうかは実際にはよくわからないので、そのような用語に変更されたのです。
胎児の状態は通常胎児心拍数陣痛図(CTG)で判断しますが、CTG上胎児の状態が元気だといえる所見と、逆にとんでもなく悪いといえる所見はほぼ明確になっています。そこで元気であるとは言えない状態を全て「NRFS/Non Reassuring Fetal Status(胎児機能不全)」と定義しているのです。
NRFSは、主にCTGで診断されますが、胎児心拍数の変動だけに頼っているので、偽陽性率(正常を異常と診断する率)が高いのが欠点です。つまり、NRFSと診断された胎児のうち重症の仮死として出生する例はそれほど多いわけではないということです。
胎児の状態の評価は、心拍数モニタリングに、超音波検査による羊水量や胎児の手の開閉や筋緊張などの所見を加えたバイオフィジカルプロファイルスコア(biophysical profile score, BPS)や、超音波による臍帯動脈や胎児中大脳動脈の血流波形が有用ですが、これらの検査は主に妊娠中に行われます。
妊娠21週までは流産、22週以降が早産なので、NRFSと診断されることがあるとすれば、妊娠22週以降になります。妊娠22週というとおよそ妊娠6ヶ月半ばですが、あまり週数が早いと判断が難しい場合があります。
妊婦外来でNRFSの疑いと診断された場合、入院して詳しい検査をします。とにかく妊婦健診はきちんと受け、疑問に思うことがあればその健診の度に医師に聞くようにしましょう。
一般社団法人新宿医師会区民健康センター 所長、山王病院(東京都) 産婦人科、国立国際医療研究センター 産婦人科
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