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インタビュー

NRFS(胎児機能不全)の原因

NRFS(胎児機能不全)の原因
箕浦 茂樹 先生

一般社団法人新宿医師会区民健康センター所長 山王病院/国立国際医療研究センター産婦人科

箕浦 茂樹 先生

NRFSは、胎児に酸素が十分に行き届かないことが原因となって起こります。典型的な「酸素が行き届かない」原因として、胎盤早期剥離や臍帯脱出などが挙げられますが、それら胎盤早期剥離や臍帯脱出はなぜ起きてしまうのでしょうか。山王病院産婦人科の箕浦茂樹先生にお話をうかがいます。

重症のNRFSでは、最悪の場合胎児死亡になりますが、死亡に至らなくても胎児に重い障害を残してしまうことがあります。その障害のなかでももっとも深刻なのはは脳性マヒです。NRFSは「胎児が酸素不足に陥ってしまう状態」であり、胎児が酸素不足になるのは、胎盤か臍帯に異常がある場合や、陣痛が強すぎる場合の他、子宮内感染なども考えられます。胎盤の異常としては常位胎盤早期剥離や胎盤機能不全などがあり、臍帯の異常としては臍帯圧迫や臍帯脱出があります。陣痛が強すぎる場合を過強陣痛といい、陣痛促進剤の影響が考えられます。臍帯脱出や臍帯圧迫、過強陣痛は分娩時に多い異常ですが、胎盤機能不全、胎盤早期剥離は妊娠中に多く起こります。

<常位胎盤早期剥離>

脳性マヒの原因としてもっとも多い常位胎盤早期剥離は、妊娠中に胎盤が子宮壁から何らかの原因ではがれてしまうことです。胎盤がはがれると胎児への酸素の供給が途絶えてしまうため、ある程度の時間その状態が続いてしまうと脳性マヒにつながるような中枢神経所障害、さらには胎児死亡を引き起こします。また、胎盤早期剥離はなくても、重度の糖尿病や妊娠高血圧症がある方は胎盤機能不全が起こる可能性がありますので、注意する必要があります。

<臍帯脱出>

臍帯は、胎児と胎盤とをつなぎ酸素や栄養を送る血管でできています。そこに血流障害が起こると胎児は酸素不足の状態になります。血流障害が起こる典型的な状態として、何らかの理由で臍帯が子宮口から先に出てきてしまう臍帯脱出があります。原因として、41ml以上のメトロイリンテル(陣痛誘発促進のために子宮内に挿入する風船)使用との関係が示唆されています。この場合、臍帯が胎児の先進部(頭かお尻)と子宮壁の間で強度に圧迫され、胎児に酸素が十分に届かなくなってしまい、胎児は極めて危険な状態になります。また、臍帯脱出でなくても胎児と子宮壁の間に臍帯が挟まってしまうことによって血流障害が起こることもあります。

常位胎盤早期剥離の原因は多くの場合不明ですが、妊娠高血圧症候群との関係が従来から指摘されています。その他、交通事故や滑落などにより妊娠中にお腹に強い衝撃を受けた時にも胎盤剥離が起きる可能性が高くなることがわかっています。

また、剥離の明確な原因とまでは言えませんが、喫煙は妊娠にあまりよい影響があるとはいえません。極力避けたほうがよいでしょう。

妊娠そのものが高血圧の原因となる妊娠高血圧症は、妊娠時期が終わればよくなってしまう、もともと健康な方でも発症する疾患です。この原因については諸説ありますが、現在のところなぜ妊娠高血圧症が起きてしまうかはわかっていないため、事前に予防する方法は残念ながらありません。ただし、現在35歳以上と定義されている高齢出産にあたる場合、妊娠高血圧症を発症するリスクが高いことがわかっているため、注意が必要です。

 

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