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インタビュー

公開日 : 2017 年 04 月 21 日
更新日 : 2017 年 05 月 08 日

からだの機能維持に欠かせない「マグネシウム」、その研究の歴史とは

マグネシウムはからだの様々な機能を担う重要な物質です。皆さんはマグネシウムが不足すると、からだにどのような不利益が生じるかご存知でしょうか。これまでの研究によると、マグネシウムの不足は循環器疾患生活習慣病の発症に関連することが示唆されているのです。

今のように簡単に測定ができない時代、マグネシウムの研究は困難を極めたそうです。マグネシウムの研究はいったいどのように進められてきたのか、長く研究に携わり、その知見の基礎を築き上げてきた昭和大学名誉教授 小林昭夫先生に、研究の歴史をお伺いしました。

マグネシウム研究は「マイナー」な研究領域だった

マグネシウム

マグネシウムはからだの機能維持に「補助的」に関わる存在

マグネシウムは、無機質(ミネラル)のうちの1つです。無機質にはカルシウム(Ca)リン(P)カリウム(K)硫黄(S)塩素(Cl)ナトリウム(Na)鉄(Fe)マグネシウム(Mg)などがあり、これらはからだの働きを維持するためには欠かせない栄養素です。

ミネラルの研究は、古くから行われてきましたが、その中でも広範にわたって研究されてきたのはカルシウムです。カルシウムは骨の形成筋肉の収縮などに関わるミネラルとして知られており、多くの研究の対象とされていました。またもミネラルのひとつですが、鉄はヘモグロビン(血色素)の構成成分として大切であり、鉄に関する研究も多く行われてきました。

その一方で、マグネシウムの研究はマイナーだったといえます。マグネシウムは、カルシウムのようにからだの機能にわかりやすく関与することはあまりありません。なぜならば、マグネシウムがからだの機能維持に関わるときには補酵素として作用することがほとんどだからです。

マグネシウムの働き~補酵素とは?~

からだの多くの機能が正常に働くためには、酵素というたんぱく質が必要です。からだの機能は、様々な化学反応によって成り立っていますが、酵素はこの反応の仲介者として働くことで、反応を成立させています。

そして、そうした反応のなかには、ただ酵素があるだけでは反応が成立しないものもあります。そこで必要となるものが補酵素です。補酵素は「酵素を補う」という意味で、酵素の働きを助け、生体内の反応を成立させる大切な役割を担います。

マグネシウムは、この補酵素として多くの機能を助ける重要な物質です。しかし、カルシウムのように、からだの機能へ直接的に関与する物質とは異なり、やや複雑な立ち位置で役割を果たすため、大切な物質であるにも関わらず研究対象としては扱われにくかったといえるでしょう。

現代とは大きく異なる、約50年前のマグネシウム研究

約50年前のマグネシウム測定法は、非常に煩雑

現在、物質の組成を調べる際には電子吸光計が用いられます。この方法を用いると、液からだの組成を20項目ほど同時に素早く調べることができます。

しかし、50年ほど前まではこうした機器がまだ普及していませんでした。そのため、複雑な化学反応を組み合わせて測定する必要がありました。こうしたこともあり、マグネシウムの測定は非常に手間と時間のかかる、面倒なものでした。

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