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首のしこりや腫れは早期受診が重要-頸部腫瘍(良性腫瘍・リンパ節腫脹など)の治療法

首のしこりや腫れは早期受診が重要-頸部腫瘍(良性腫瘍・リンパ節腫脹など)の治療法
横須賀市立うわまち病院 耳鼻咽喉科 部長 愛甲 健 先生

横須賀市立うわまち病院 耳鼻咽喉科 部長

愛甲 健 先生

記事1『首のしこりやリンパ節の腫れの原因とは-症状別の原因疾患、何科を受診すべきか?』では、頸部疾患の原因や症状、診断方法までお話しいただきました。横須賀市立うわまち病院の耳鼻咽喉科部長である愛甲 健先生は「頸部疾患の治療は、なるべく早く病院に受診することが何よりも重要である」とおっしゃいます。それは、早期治療であれば良性腫瘍の悪性化や神経麻痺などのリスクが少なくなるという理由です。今回は、引き続き、愛甲 健先生に頸部疾患の治療法についてお話しいただきました。

首の疾患の主な治療法

良性腫瘍・嚢胞は手術による切除が最も有効

頸部疾患のうち良性腫瘍は、切除が最も効果的な治療です。良性の腫瘍であれば、基本的に、手術できちんと切除すれば再発することはないでしょう。しかし、腫瘍が大きくなれば、そのぶん手術時間もかかり患者さんへの負担が大きくなってしまいます。そのため、私たちの病院では、腫瘍が見つかり次第、手術が必要なものであれば早期の切除をすすめています。手術時間は、顎下腺腫瘍であれば1〜2時間、耳下腺腫瘍であれば2〜3時間ほどです。また、嚢胞(のうほう)も、基本的に切除しない限りなくなることはありません。そのため、良性腫瘍と同様に手術による切除が最も有効な治療となります。

炎症性のリンパ節腫脹では薬・経過観察の場合もある

炎症性のリンパ節腫脹である場合は、経過観察をしているうちに自然によくなることがあります。さらに、抗生物質の薬による治療で症状が軽快する方もいます。ですので、患者さんの症状によっては投薬による治療という選択肢もあります。

薬

良性の甲状腺腫瘍の場合は経過観察をすることもある

良性の甲状腺腫瘍であれば、腫瘍が小さければある程度の大きさになるまで経過観察をすることもありますが、腫瘍が4センチになった場合は切除をするようにしています。甲状腺腫瘍に関しては、悪性腫瘍でなく小さいものであれば、急変することは滅多にありません。経過観察の場合、3か月や半年に1度の割合で来院していただくことがほとんどです。

手術には診断のためのもの・治療のためのものがある

少し話は逸れますが、頸部疾患における手術には、お話したような腫瘍の切除など治療のために行う手術と、診断のために行う手術があります。診断のために行う手術とは、主にリンパ節腫脹の方に適応されます。リンパ節が腫れている場合、患者さんのリンパ節を摘出し、そこから疾患の原因を調べることが有効となるからです。リンパ節腫脹は、悪性リンパ腫や結核性リンパ節炎など、疾患が多岐にわたることに加え原因の特定が難しい場合もあるため、お話ししたような手術を実施し疾患を特定することがあります。

手術

良性腫瘍の早期治療が大切な理由

腫瘍の悪性化・神経麻痺のリスクを避けることができる

良性腫瘍では腫瘍の切除が最も効果的であるとお話ししましたが、そこには、悪性化のリスクを避けるという意味合いもあります。顎下腺腫瘍や耳下腺腫瘍などの唾液腺腫瘍は、良性のものが悪性に変わることがあるといわれています。この場合、だいたい10年ほどの期間をかけて徐々に悪性に転じるケースが多いとされています。このため、良性の腫瘍がまだ小さい初期のうちに手術で切除しておくことは、悪性化のリスクを避けることにつながります。さらに、手術には神経の麻痺が起こるリスクがありますが、腫瘍が小さい早期の治療であれば、神経の麻痺はより起こりにくいといわれています。

手術の予後は?-神経の麻痺などが起こることも

頸部の腫瘍や嚢胞を切除する手術では、神経の麻痺が起こることがあります。たとえば、耳下腺腫瘍の場合は顔面神経の麻痺がありますし、顎下腺腫瘍は、顔面神経麻痺や舌神経麻痺の危険性があります。麻痺が現れる場合は、手術直後からその神経麻痺の症状が出ます。手術直後に症状が現れないければ、その後、現れることはないでしょう。その他の手術後のリスクとしては、術後の腫れや出血、痛み、感染症などがありますが、それも手術中のことであり、手術後に現れることはまれでしょう。

うわまち病院の耳鼻咽喉科の特徴

良性腫瘍・嚢胞・リンパ節腫瘍に対応

横須賀市立うわまち病院 耳鼻咽喉科では、悪性疾患は一部の甲状腺がんを除き、基本的に扱っていませんが、良性腫瘍に関しては基本的にすべて対応しています。そのため、良性腫瘍や嚢胞、リンパ節腫脹の手術は私たちの病院で受けていただくことが可能です。また、神経鞘腫(しんけいしょうしゅ)という神経が腫れてしまう疾患には、専門病院を紹介するなど、他院との連携も実施しています。

子どもからお年寄りまで治療可能

高齢者

私たちの病院の耳鼻咽喉科の特徴は、検査を早く受けることができるような体制づくりをしている点です。検査のために長期間待つことは、ほぼありません。たとえば、CT撮影は、来院した当日や翌日に受けることができる場合がほとんどです。病理の検査は1週間くらいかかることもありますが、緊急を要する場合には、3〜4日で結果を出す場合もあります。さらに、特に急ぎのときには、1週間ほどですべての検査結果を揃えるよう調整しています。

また、うわまち病院には小児科を備えているため、子どもの正中頸嚢胞(せいちゅうけいのうほう)にも対応しており、手術の実績もあります。さらに、80代、90代の高齢の方であっても、麻酔をかけられるくらい元気な方であれば基本的に手術をしています。このように、幼い子どもから高齢者まで治療実績があるため、どなたでも安心して来院していただきたいと思っています。

首の疾患はできるだけ早い受診が重要

愛甲先生

受診する患者さんの中には、首のしこりを単なる脂肪のかたまりと考えていた方もいます。しかし、私の経験上、首にできたしこりが脂肪のかたまりであることはまれです。首の腫れやしこりには重篤な疾患が隠れていることもあり、できる限り早い受診が非常に重要です。受診をしていただければ、症状を確認しただけで、なるべく早く治療をすべきであるのか様子を見る猶予があるのかを判断することができます。治療が急務であるとわかれば即時に対応を検討することも可能です。繰り返しになりますが、特に良性腫瘍は早期治療をすることで悪性腫瘍や神経麻痺のリスクを避けることにつながります。そのため、何か首に異常が見つかった場合は、なるべく早く病院で診断を受けることをお勧めします。