
特発性血小板減少性紫斑病(ITP)は、血小板の減少によってさまざまな症状が現れる病気です。特発性血小板減少性紫斑病を疑う場合、どのような検査を行うのでしょうか。慶應義塾大学病院 臨床検査科の村田 満先生にお話を伺いました。
特発性血小板減少性紫斑病は、血液検査の所見と骨髄検査などを行ってほかの病気を除外し、最終的に診断を下します。
特発性血小板減少性紫斑病の診断においては、まず血液検査を行い血小板の数を調べます。通常、血小板数は15万〜35万/μL(マイクロリットル:1ccの1,000分の1)であるのに対し、血小板数が10万/μL未満であれば、血小板減少症と判断します。
血小板数が10万/μL以上であれば、出血傾向はほぼありません。血小板数が減少するほどに出血傾向が多く見られるようになります。血小板数が5万/μLほどになると手足に紫斑が出始め、3万/μL以下ではっきりとした出血傾向が現れます。
※詳しい症状については『特発性血小板減少性紫斑病(ITP)の症状・原因・分類』をご覧ください。
特発性血小板減少性紫斑病では、原則、赤血球数や白血球数は正常です。ただし女性で月経過多の場合には通常よりも多量の血液が出てしまうため、赤血球の減少を認めるケースがあります。
血液検査で、血小板の減少を確認することができます。しかしながら血小板が減少する病気は20種類以上あるため、それらと区別するために骨髄検査を行います。骨髄検査は、局所麻酔後に腸骨(骨盤の骨)の中に針を刺して実施します。検査には通常15分ほどを要し、外来で検査可能です。
『特発性血小板減少性紫斑病(ITP)の症状・原因・分類』でお話ししたように特発性血小板減少性紫斑病は、血小板は正常につくられていますが、免疫機能の異常によって血小板が壊れることで血小板が減少します。そのため骨髄を調べると、正常もしくはそれ以上のはたらきをしていることが確認できます。
免疫学的検査とは、血清中に抗体などが生じているか、生じている場合にはどれくらいの量が見られるのかなどを調べる検査です。特発性血小板減少性紫斑病の場合、血小板結合性免疫グロブリンG(PAIgG)が増量する可能性があります。ただし、時には増量が認められないケースもあることに注意が必要です。
『特発性血小板減少性紫斑病(ITP)の治療』では、特発性血小板減少性紫斑病の治療についてご説明します。
慶應義塾大学 医学部臨床検査医学 教授
村田 満 先生の所属医療機関
関連の医療相談が12件あります
重い物を持つ仕事はしてもいいのか
血小板が少ないと健康診断で指摘され総合病院へ通っています。初めて総合病院を受診した時は、余り重い物を持たないほうがいいと言われましたが2回目の受診時では、今まで重い物を持っても大丈夫だったんだから大丈夫と言われました。 血小板数35000→17000→37000です。 重い物を持ち上げる作業は大丈夫なのでしょうか? また、ぶつけてアザが出来ることによって体にどのようなダメ-ジがあるのか教えてください。 宜しくお願い致します。
朝起きると体に赤い斑点
4ヶ月前ほどから朝起きると足や腕、顔、首などに針で刺したように小さな赤い斑点がたくさん出来る 特に痒くもなくできては薄くなって消えて、また違う場所にできるの繰り返し2年前に血小板が少なく入院したことがあるがこれとは関係があるのか、 これから肌を露出することが多くなるので原因や皮膚科で診察すれば良いのか知りたい
特発性血小板減少性紫斑病
10月1日から咳がでて、昨日唇と舌平らな紫色の泡を発見しました、今朝病院に行った時、体も紫色の泡がありありました。血小板が減少しました。特発性血小板減少性紫斑病と考えられます。どんな治療方法がありますか。危ないですか。
1週間前からほぼ毎日鼻血
1週間ほど前から、毎日のように左の鼻から出血しています。 かゆみ等で鼻を触ったときや、くしゃみ、鼻をかむ、シャワーのときに出血しています。 病院へ行ったほうが良いでしょうか。
※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。
「特発性血小板減少性紫斑病」を登録すると、新着の情報をお知らせします
「受診について相談する」とは?
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。