院長インタビュー

いっそう充実した医療の提供を目指して-さらに高度な医療提供体制となる獨協医科大学越谷病院

いっそう充実した医療の提供を目指して-さらに高度な医療提供体制となる獨協医科大学越谷病院
兵頭 明夫 先生

獨協医科大学埼玉医療センター 前病院長、脳神経外科特任教授 兼任

兵頭 明夫 先生

この記事の最終更新は2017年08月01日です。

栃木県に本部を置く獨協医科大学が、埼玉県東部の医療を担うために1984年、埼玉県越谷市に開設したのが獨協医科大学越谷病院です。JR武蔵野線・南越谷駅と東武伊勢崎線・新越谷駅の両駅から歩いて3分という好立地に位置します。伊勢崎線は2012年より東武スカイツリーラインの愛称で呼ばれるようになりましたが、東京メトロ日比谷線や半蔵門線の乗り入れもあるため、都内からも来院しやすくなっています。2017年11月の新棟竣工で規模拡大とともに獨協医科大学埼玉医療センターに名称を変更し、これまでの越谷市中心から埼玉県全域、新たに東京まで視野に入れた医療提供体制が整備されます。その特徴について、病院長の兵頭明夫先生にお話を伺いました。

獨協医科大学越谷病院の最大の特徴は、各分野で厚い信頼を得ている医師が集まっていることです。

私は、脳神経外科医として脳血管内治療に力を入れており、日本脳神経血管内治療学会の理事長を2期務めた実績もあります。そのため、かなり遠くから診察を受けに来られる患者さんがたくさんいらっしゃいます。新棟ができたら脳神経血管内センターを発足させる計画もあります。

新棟完成により、現在は11室の手術室が倍の22室になります。そのうち2室は、細いカテーテルと少量の造影剤で鮮明な血管画像が得られるDSA(Digital Subtraction Angiography=ディジタル差分血管造影法)の機器を設置したハイブリッド手術室に、1室は術中CTスキャンを行うことが可能なハイブリッド手術室に、またアメリカで開発された内視鏡手術支援ロボットであるダヴィンチといった最新機器を設置した手術室も2室備える予定であり、前者は脳血管内治療でも活用しますが、これまで別室にあった血管造影機器などを手術室に置くことで、より安全で高度な全身麻酔での手術が可能になります。

副院長の岡田弘教授は泌尿器科の主任教授で、男性不妊治療で全国的に高い評価を受けている医師です。彼が中心となってリプロダクション(不妊治療)センターをつくり、婦人科と泌尿器科の両方の医師を集めて、男性と女性の不妊治療を行っています。

大学病院で不妊治療を行っているところは少なく、かなり注目を集めています。越谷周辺は新しいマンションが増加し、若い方も増えているので、不妊治療の需要も多くなってくるはずです。まだセンターとしてスタートしてから2年ほどですが、大学病院という信頼度の高さもあり、遠方から足を運んでいただくケースも増えているため、越谷病院の重要な柱になりつつあります。

ほかにも、腎臓病理学の大家として知られる病理診断科の上田善彦教授、薬を使わない精神科治療でメディアに取り上げられることの多い、こころの診療科の井原裕教授など、アピールポイントを持った名医がそろっています。そうした医師による、高度な治療を提供できることが、獨協医科大学越谷病院の最大の強みです。

開設当初はベッド数273床の規模しかありませんでしたが、1998年には723床と着実に発展してきました。

最近は増床が認められにくい状況ですが、獨協医科大学越谷病院は埼玉県から200床の増床を認められました。これまでの実績を評価していただいた結果だと考えています。

2016年2月から新棟の建設を始め、2017年9月中には竣工予定です。11月15日に竣工式を開くことも決定しています。

地上8階、地下2階の新棟には、ICU (Intensive Care Unit=集中治療室)はもちろん、前述した2つのハイブリッド手術室を含む、22室の高度機能を備えた手術室も配置します。当面は17室、2018年4月には22室すべてを稼働させます。

現在でも年間8,000件以上の手術を行っていますが、手術室が増えることで1万4,000件ほどまで増やし、より高度な治療を提供していく意気込みです。

ベッド数も新棟に411床を確保できるため、既存棟と調整しながら徐々に増加させていき、2年後には現在より200床多い923床にまで増やします。

さらに、研修医のための設備も充実させます。当直室やシャワールームまで備えた臨床研修センターを設け、広い大会議室を確保します。これによりさらに余裕のある効率的な教育・研修を実現していきます。

当院で育った若い医師が、戦力として働いてくれる可能性も高く、いっそう充実した医療サービスを患者さんに提供することにつながるはずです。

新棟竣工を機に、診療体制の強化を図っていきます。そのひとつが、地域周産期母子医療センターの新設です。いまでも当院には産科婦人科はありますが、最新設備であるNICU(Neonatal Intensive Care Unit=新生児特定集中治療室)や、NICUでの治療を終えた新生児をケアするためのGCU(Growing Care Unit=継続保育室)なども備え、母体・胎児・新生児の健康を総合的に守る体制をつくります。

新棟は外科中心になりますが、そこに外科関連を移した既存棟のスペースを大幅にリニューアルし、ここに地域周産期治療センターを置き、来年4月に稼働します。すでに専属の小児科医も在籍しているので、産婦人科医と連携しながら、さらに新しい命と母胎を守る体制が充実します。

2015年10月から、24時間体制で手術ができる設備を備えた病院による2次救急の輪番制にはいり、去年の1月からは長時間搬送先が決まらない救急患者(搬送困難事案)を原則として断らずに受け入れる医療機関になっています。これにより、より地域に貢献できる体制を整えています。

さらに地域医療という意味では、病病連携にも数年前から力を注いでいます。当院の周辺には200床から300床規模の病院がいくつもあります。そういった病院とコアな連携をとる体制を築いています。

当院の平均病床稼働率は96%を超える状態ですが、患者さんの状態によって連携している病院への転院も可能になっています。連携することで獨協医科大学越谷病院の高度な医療技術をほかの病院とも共有できるため、より高度な医療をより広く提供することにつながってきています。このネットワークは、さらに広げていきたいと考えています。

アピールポイントを持った教授が多く在籍していることや、新棟建設による設備充実によって、研修医のみなさんにも高い関心をもってもらえるようになってきています。病院見学者の数も増えており、ここ1年間では100名を超えています。

そうした状況に病院側としても、積極的に受け入れ体制を整えているところです。初期臨床研修医の募集は、現在は年間40名ですが、これを来年度から50名に増やすことも決定しています。研修設備も整った新棟の完成で、より多くの研修医のみなさんに経験を積み、腕を磨いてもらいたいと考えています。

病院にとって看護師も不可欠な存在です。埼玉県三郷市に2015年4月、獨協医科大学附属看護専門学校三郷校が開校しました。現在の定員は40名ですが、2年後から倍の80名に増やします。

こちらも人気で、オープンキャンパスには1,000名を超える見学者にお越しいただき、入学試験の競争率も4~5倍になっています。

獨協医科大学附属看護専門学校三郷校を卒業した全員に獨協医科大学越谷病院に来てもらえるとは限りませんが、当院と近接しているということもあり、多くの卒業生が当院に就職してくれると期待しています。看護師の充実も、患者さんの安心につながると考えています。

獨協医科大学越谷病院は、健全経営を続けています。今年11月には獨協医科大学埼玉医療センターに名称を変更しますが、その経営方針に変わりはありません。

健全経営を支えているのは、高度な医療と、事故を起こさない安全な医療の両立だと考えています。

近くて便利な場所にある安心して命を預けられる病院として、その信頼を裏切ることなく、「常に研鑽し患者さまの信頼にこたえる」という当院の経営理念を追求します。そして、さらに高い信頼を得るための努力を続けていきます。

私は病院長として、働いていて楽しく、生きがいを感じられる病院づくりを心がけています。生きがいを感じられる病院であるためには、どんな職種であってもプロフェッショナルとしての仕事の質を追求していく姿勢が重要ではないでしょうか。

それができるのが獨協医科大学越谷病院である、と私は考えています。

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  • 獨協医科大学埼玉医療センター 前病院長、脳神経外科特任教授 兼任

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